- 予算区分
- KZ その他公募 公益財団法人鉄鋼環境基金
- 研究課題コード
- 1719KZ002
- 開始/終了年度
- 2017~2019年
- キーワード(日本語)
- 嫌気性処理,バイオガス,阻害物,リアクター,鉄鋼廃水
- キーワード(英語)
- anaerobic digestion,biogas,inhibitor,reactor,steel-making Wastewater
研究概要
本研究では、新規な嫌気性処理リアクターを創造し、連続試験によって処理性能を実証することを目的とする。新規技術は、1相もしくは2相式メタン発酵法に限る従来の概念を脱して、前段(酸生成相/H2S除去/NH3除去槽)と後段(メタン生成相)が上下に半連結した構造により、後段の発生ガスが前段に無動力で供給される仕組みとする。これにより、前段ではストリッピングにより阻害物除去を行い、後段ではメタン生成反応の安定化・高速化を図るものである。本技術は、高濃度の阻害物(アンモニアや硫酸塩)を含有する排水(鉄鋼排水等)の処理の効率化が期待できる。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
本研究では、リアクター実験により基礎的知見を得た後、リアクターシステムを構築し、連続運転試験を行うことで処理性能を評価・実証する。具体的には、実験用リアクター部材を独自に設計して、リアクターを用いて水理学的特性や阻害物質の除去効果の検証し、最適なリアクター構造や運転条件の決定に資するデータを取得する。さらに、リアクターシステムを構築し、連続処理試験によって処理性能の評価を行うとともに、阻害物質除去効果の解析を進める。この実験結果により、本提案技術の有効性を示すとともに、実機リアクターへのスケールアップを念頭に置いて、リアクター構造や運転条件の決定に向けたデータの取得を行う。
今年度の研究概要
今年度は、リアクターの性能(メタン発酵と阻害物質除去の両立)を効率的に進めるためには、水とガスの流れを適切に管理することが重要となるため、トレーサー試験によって水理学的特性の解析を行う。また、リアクターにおける阻害物除去効率を最大化するとともに、発生バイオガス量と除去可能な阻害物量の関係を得ることで、本リアクターが許容可能な最大阻害物濃度のデータを得る。さらに、ガス供給の有無によるVFA転換率などの酸生成効率に関する評価を進める。