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環境計測研究分野の概要(平成 29年度)
Environmental Measurement and Analysis

研究課題コード
1620FP080
開始/終了年度
2016~2020年

研究概要

環境問題のメカニズム解明、環境変化の監視、環境問題の解決に向けた国内外の合意形成のための科学的知見の提供、対策技術や施策の有効性評価を、環境計測の立場から支えるため、計測手法の開発と改良、計測手法の応用、計測データからの環境情報の抽出に係る調査・研究を実施する。
・干渉計による光検出側高スペクトル化手法を用いた新たな高スペクトル分解ライダーを試作し、実大気での計測試験からその性能を評価する。
・有機マーカー測定における定量性検証・対象物質拡張を行い、大気微粒子生成に対する野焼きの寄与を評価する。
・大気有機粒子の各種毒性に対する発生源別寄与を解明するため、大気および有機粒子発生源(自動車、SOA等)の粒子を採取し、化学分析と毒性評価を進める。
・ガス状有機物とエアロゾルとの不均一反応による粒子内有機組成変化の実時間測定を行い、大気中での二次粒子生成機構について考察する。
・気体オゾンと液体セスキテルペンの不均一反応によって気液界面に生成する中間体・生成物の検出・同定を行い、大気環境中におけるオゾンの不均一反応の重要性を評価する。
・植物に由来する揮発性有機化合物(BVOC)の放出量推定に向け、高分子量BVOCの相互分離・検出手法を開発する。
・大気中のCO2および酸素の測定に基づくCO2の発生源分離手法を確立し、つくばで観測されるCO2の短期変動の生物および化石燃料起源の寄与率の年間の変動を明らかにする。更に、大都市(東京)のCO2変動解析への応用を検討する。
・同位体ならびに有機分子マーカーを用いて、過去の海氷変動、海洋循環変動を復元するための代替指標(プロキシー)の開発を行う。また、開発されたプロキシーを北極海などの海底堆積物試料に応用し、北半球高緯度の気候変動の実態解明を行う。
・過去から現在までの多数の手持ち撮影写真を活用した万年雪や植生被覆の変化を定量的に把握し、標高・斜面方位別での評価を行うための正射投影技術を開発する。
・環境ストレスのヒト脳への影響の新たな指標情報抽出のため、ヒト脳MRスペクトル測定データの代謝物定量解析を進め、前頭葉領域内の代謝物に関する健常人ベースラインデータ、自閉症患者データを取得する。

課題代表者

今村 隆史