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一般市民の科学技術リテラシーと環境政策に関する合意形成のあり方に関する調査研究(平成 28年度)
A Study of Science and Technology Literacy of Public for consensus building on environmental policy making

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 1-1406
研究課題コード
1416BA001
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
気候変動,エネルギー選択,東日本大震災,世論調査,フォーカスグループインタビュー,メディア分析,サイエンス・リテラシー
キーワード(英語)
Climate Change, Energy Choice, The East Japan Great Earthquake, Public Opinion Survey, Focus Group Interview, Media Analysis, Scientific Literacy

研究概要

現在、環境政策において早急の対応が必要な問題として、気候変動問題と東日本大震災への対応が挙げられる。両問題はエネルギー政策を通じてトレードオフの関係にある上に、メディアなどで専門家の見解に対する疑義が取り上げられ、国民の理解も割れる状況になるなど合意形成が非常に難しい問題となっている。国民の理解に関しては、個々人の科学技術リテラシーに関して科学技術の基礎的な知識やその応用の問題、様々な懐疑論をはじめとした偽科学の存在、政策形成に関して様々な立場の存在とそれに伴う合意形成の困難さの問題がある。本課題では、1)気候変動問題および東日本大震災への対応に関する科学技術リテラシーを社会調査によって把握し、2)マスメディアの報道の分析、科学報道と政策のあり方に関する検討を行い、3)以上の分析・検討の結果をもとにした、リスク・ガバナンスの観点からみた合意形成のありかたの提言を行うことにより、より実効性のある政策形成に資することを目標とする。
本課題は、1)様々な社会調査の手法を用いての気候変動問題および東日本大震災への対応に関する人々の理解や態度の現状把握と科学技術リテラシー、2)マスメディアの報道についての頻度、文脈等の分析と評価、科学報道と政策のあり方に関する検討、3)以上の調査結果とメディア分析・検討の結果をもとにした、ガバナンスの観点からみた合意形成のありかたの提言の3段階からなる。これらの調査・分析、成果の公表を3年間で並行して実施していく。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

(1) 気候変動問題および東日本大震災への対応に関する人々の理解や態度の現状把握と科学技術リテラシーについての検討
「市民の環境に対する重要度の把握に関する時系列調査」および「ライフスタイルに関する世論調査」「気候変動および震災復興に関する科学技術リテラシー向上に関するフォーカス・グループインタビュー調査」により気候変動問題および東日本大震災への対応に関する人々の理解や態度の現状把握と科学技術リテラシーについての検討を行う。
(2) マスメディアの報道についての分析と評価、科学報道と政策のあり方に関する検討
新聞、テレビ、雑誌等における報道量等の量的な分析(報道量の変化)をデータベースを利用して把握する。さらに質的な分析を国際的なネットワークに参加して実施する。一連のIPCCのAR5公表、COP関連の報道に関しては、スウェーデンとイギリスを中心とした世界20カ国以上のネットワークの共同調査MediaClimateに参加し国際的な視野での検討を行う。
(3)市民の科学技術リテラシーと合意形成・ガバナンスのあり方の検討
以上の分析・検討において、様々なステークホルダーが抽出され、それぞれの位置づけが議論される。その議論をもとに、様々な合意形成手法のレビューと適用事例における、情報共有(科学技術リテラシー、コミュニケーションに深く関連する)の位置づけとあり方の検討を行う。ガバナンスに関しては、日本における文脈での議論を検討対象とする。ガバナンスの向上のための科学技術リテラシーの役割、あり方の議論を、リスク・ガバナンスの観点も踏まえて検討する。

今年度の研究概要

1)気候変動問題および東日本大震災への対応に関する人々の理解や態度の現状把握と科学技術リテラシーについての検討においては、「市民の環境に対する重要度の把握に関する時系列調査」および「ライフスタイルに関する世論調査」「気候変動および震災復興に関する科学技術リテラシー向上に関するフォーカス・グループインタビュー調査」により気候変動問題および東日本大震災への対応に関する人々の理解や態度の現状把握と科学技術リテラシーについての検討を行う。
2)マスメディアの報道についての分析と評価、科学報道と政策のあり方に関する検討においては、新聞、テレビ、雑誌等における報道量等の量的な分析(報道量の変化)をデータベースを利用して把握する。さらに質的な分析を国際的なネットワークに参加して実施する。一連のIPCCのAR5公表、COP関連の報道に関しては、スウェーデンとイギリスを中心とした世界20カ国以上のネットワークの共同調査MediaClimateに参加し国際的な視野での検討を行う。
3)市民の科学技術リテラシーと合意形成・ガバナンスのあり方の検討においては、以上の分析・検討において、様々なステークホルダーが抽出され、それぞれの位置づけが議論される。その議論をもとに、様々な合意形成手法のレビューと適用事例における、情報共有(科学技術リテラシー、コミュニケーションに深く関連する)の位置づけとあり方の検討を行う。ガバナンスに関しては、日本における文脈での議論を検討対象とする。ガバナンスの向上のための科学技術リテラシーの役割、あり方の議論を、リスク・ガバナンスの観点も踏まえて検討する。

外部との連携

Risto Kunelius (University of Tampere, Finland)およびElisabeth Eide (Oslo and Akershus University College, Norway)を代表者とするMediaClimate プロジェクトに参加 (メディア分析) 。
世論調査結果は、EU4ヶ国との比較調査結果。日本分は平成28年10月6日に記者発表済み(https://www.nies.go.jp/whatsnew/2016/20161006_2/20161006_2.html)

課題代表者

青柳 みどり

  • 社会システム領域
    脱炭素対策評価研究室
  • シニア研究員
  • 博士 (農学)
  • 社会学,農学
portrait

担当者

  • 佐野 和美
  • 吉田 綾資源循環領域
  • 朝山 慎一郎