- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1517CD020
- 開始/終了年度
- 2015~2017年
- キーワード(日本語)
- 核磁気共鳴装置,リン
- キーワード(英語)
- Nuclear Magnetic Resonance, phosphorus
研究概要
霞ヶ浦流域圏において、河川から流入するリン化合物の定量化が最終的な目的である。実際には、以下のことを行う:
? 霞ヶ浦の流入河川において、溶存態のリン化合物の分析手法を開発する。
? 霞ヶ浦の湖水に含まれるリン化合物の分析手法を開発する。
? 河川において、高頻度の採水を行い、河川から湖沼に流出するリンの量を定量化する。
以上のことを行うことで、河川水が湖沼に流入した際の影響について定量化する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
初年度は、? 霞ヶ浦の流入河川において、溶存態のリン化合物の分析手法を開発する について、行う。実際のところ、行うことは以下の通りである:
1: 限外濾過法を用いて、濃縮を行い、リン化合物の濃縮法を確立する。
2: 1で濃縮したサンプルに関して、核磁気共鳴装置を用いてリン化合物の定量化を行う。
2年目は、以下の項目について行う。
1: 霞ヶ浦の流入河川において、採水を行い、初年度開発した方法を用いて分析を行う。
2: 霞ヶ浦流域の複数地点で採水を行い、土地利用割合などと、存在するリン化合物との関係を明らかにする。
3年目は以下の項目を行う。
1: 霞ヶ浦湖水と、流入河川水とで、分解実験を行い、実際に、化合物がどのように変化するかについて分析を行う。
2: 自動採水器を用いて、高頻度の採水を行うことで、河川水に含まれるリン化合物の変動について明らかにする。
今年度の研究概要
具体的には、以下の計画で研究を遂行する。
1: 限外濾過法を用いて、濃縮を行い、リン化合物の濃縮法を確立する。
リンをNMRを用いて計測するには、1mgP以上の粉末サンプルを得る必要がある。そこで、濃縮作業を行う必要があるが、その際の濃縮手法を開発する必要がある。実際には、幾つか既に手法開発がされているが、本研究計画では、限外濾過法を用いることを考える。実際の分子量は5000Da程度を考えており、それ以上の分子量の溶存有機物について、分析を行えるようにする。
2: 1で濃縮したサンプルに関して、核磁気共鳴装置を用いてリン化合物の定量化を行う。
研究代表者は既に、懸濁物・底泥サンプルについて分析を行った経験があり、その手法を応用して、核磁気共鳴装置を用いたリンの分析手法について、開発を行う予定にしている。
外部との連携
特になし。
備考
特になし。
- 関連する研究課題
- 23011 : 流域圏における生態系機能と環境因子の連動関係の定量評価に関する研究
- 0 : 地域環境研究分野における研究課題
課題代表者
篠原 隆一郎
- 地域環境保全領域
湖沼河川研究室 - 主任研究員
- 博士(環境学)
- 土木工学,工学,地理学