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流域生態系における環境放射能の動態に関する基礎研究(平成 27年度)
Basic studies on dynamic process of environmental radioactivity in watershed ecosystem

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1518AQ001
開始/終了年度
2015~2018年
キーワード(日本語)
流域生態系,尾瀬ヶ原,環境放射能,利根川
キーワード(英語)
watershed ecosystem, Oze mire, environmental radioactivity, Tone river

研究概要

放射性物質等の実態把握・動態解明のため衛星レベルとして年間を通じた利根川集水域および尾瀬ヶ原での水量の変化の解析、流域水収支モデルを構築する。航空機による航空写真を使った詳細な湿原微地形、植生の自動判読と時系列変化、泥炭地の地形解析を行い、過去の植生変遷を解明する。無人航空機を活用して水循環・土砂堆積を読み解く詳細な3D画像と流水のシミュレーションを行い、環境アトラスを作成する。ミクロレベルとして水・物質循環に関与する有機物分解微生物、鉄酸化・還元菌の面から微生物生態系を明らかにする。物質レベルとしてフミン酸などの溶存有機物の挙動、鉄の挙動、窒素・炭素循環を解明し湿原流域からの地球温暖化ガス放出量を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

以下の4つの空間スケールからサブテーマ毎に目標を設定して研究を実施する。
(1) 衛星レベル:年間を通じた集水域での水量の変化の解析、水収支モデルを構築する。
(2) 航空機レベル:使った詳細な湿原微地形、湿原植生の自動判読と季節変化や時系列変化、泥炭地の地形解析を行い、過去の植生変遷を解明する。無人航空機レベル:水循環・土砂堆積を読み解く詳細な3D画像と流水のシミュレーションを行い、環境アトラスを作成する。
(3) ミクロレベル:湿原の水・物質循環に関与する有機物分解微生物、鉄酸化・還元菌、酸化還元電位の変化の面から微生物生態系を明らかにする。
(4) 物質レベル:フミン酸などの溶存有機物の挙動、鉄の挙動、窒素・炭素循環を解明し湿原からの地球温暖化ガスの放出量を明らかにする。

今年度の研究概要

過去の植生変遷解明を想定したレーザープロファイラーを使った詳細な微地形、植生の自動判読と季節変化や時系列変化、泥炭地の地形解析を行う。
詳細な汚染地域マップの作成と汚染量のモデル化を低汚染地域の利根川流域および尾瀬ヶ原で行う。
1)オルソモザイク化
2)河川の河道内湿地の航空写真からの植生自動判別
ヨシ・ガマなど水生植物、シラカバ・ハンノキ等の樹木、開水面、裸地、他に類型区分、植生毎にGIS化、面積等を求める。
3)河川の河道内湿地の微地形と微細流路網を作成する。観測して水位流量曲線を求める。
4)池とうの堆積物を採取しCsの放射能分析を行い、詳細な底質汚染地域マップを作成する
  植生図を元に底質の環境放射能を測定し、GIS化する。また、空間放射線量の現地調査を行いそれぞれの関係を明らかにする。
5)詳細な総合汚染地域マップの作成
  底質の環境放射能、移行係数、植生図、密度、草高等のデータを元に、相関関係を求めて湿地植物群落毎に汚染地域マップを作成する。
  6)土砂流失、堆積の現地観測データから底質及び湿地の放射性物質分布の時系列予測を行う。

外部との連携

研究代表者:野原精一(国立環境研究所)物質・水循環担当・統括

研究分担者:亀山哲(国立環境研究所)衛星・航空写真解析担当

福井学(北海道大学)微生物生態系担当

千賀有希子(東邦大学)溶存有機物・温暖化ガス担当

久田泰広・小川佳子(会津大学)合成開口レーダ担当

連携研究者:小島久弥(北海道大学)・出村裕英(会津大学)

研究協力者:福原晴夫(元新潟大学)・藤原英史((株)ドキュメンタリーチャンネル)・小玉哲大・石原範幸((株)フォテク)・安類智仁(NPO法人)、金子是久(日本生態系協会)

関連する研究課題

課題代表者

野原 精一

  • 生物多様性領域
    生態系機能評価研究室
  • シニア研究員
  • 理学博士
  • 生物学,理学 ,水産学
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