- 予算区分
- KZ その他公募
- 研究課題コード
- 1517KZ001
- 開始/終了年度
- 2015~2015年
- キーワード(日本語)
- 発達障害,バソプレシン,受容体
- キーワード(英語)
- developmental disorder, vasopressin, receptor
研究概要
世界中で発達障害増加の傾向が確認されている。発達障害の原因として遺伝要因と環境要因の両者の関与が疑われているが、その詳細は明らかではない。本研究は、バソプレシン受容体遺伝子欠損マウスの行動を多面的かつ精緻に解析することで、その行動異常のパターンを明確化し、バソプレシン経路の異常に特徴的なバイオマーカーを確立することを目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
27年度には、申請者の研究室に整備済の全自動行動記録装置IntelliCageを用いて、社会的な環境下でのバソプレシン受容体遺伝子欠損マウスの行動の基礎的なデータを網羅的に収集する。またマウスを競合的な環境におくことで社会的優位性に関する解析も行う。28年度には、IntelliCageの解析を続けると共に、ビデオ画像解析により、攻撃行動や性行動等個体間の社会行動に関する解析も行う。29年度にはIntelliCageを用いて空間学習や行動柔軟性試験を行い、高次機能への影響評価を行う。このように、単純な行動パターンから社会行動、高次機能まで網羅的な行動解析を行い、その相関関係を明らかにすることで、些細な行動異常と思われる行動パラメータの変化の中に異常検出バイオマーカーとしての可能性を見いだし、将来の発達障害の診断・予防・治療に役立てる。
今年度の研究概要
IntelliCageを用いて行動量、行動パターン、飲水量等の基礎的なデータの収集を行い、申請者が現在までに蓄積した発達障害様モデルマウスとの行動相関を探ることで、バソプレシン受容体遺伝子欠損マウスの行動異常がどのようなタイプの発達障害様行動に相当するのか解析・分類する。さらに、得られたデータの解析結果を基に、バソプレシン受容体欠損に特徴的な行動パターンをより鋭敏に検討できるような新たな行動指標の開発を試みる。
外部との連携
国立成育医療研究センター研究所薬剤治療研究部実験薬理研究室 中村 和昭 室長
東京大学大学院総合文化研究科 坪井 貴司 准教授
課題代表者
前川 文彦
- 環境リスク・健康領域
生体影響評価研究室 - 上級主幹研究員