- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1416CD005
- 開始/終了年度
- 2014~2016年
- キーワード(日本語)
- 酸素,船上観測,連続観測,大気ー海洋ガス交換
- キーワード(英語)
- oxygen, shipboard measurement, continuous measurement, air-sea gas exchange
研究概要
大気中の酸素濃度の時空間変動は二酸化炭素濃度と同時に解析することで、地球表層での炭素循環や、大気−海洋間のガス交換に関する情報をもたらす。しかし、大気中酸素濃度の変化を検出するには高精度の分析手法が必要とされ、船舶等を利用した広域連続観測はほとんど例がない。本研究では燃料電池式酸素計を改良し、標準ガス等の消費量が少なく、長期運転の可能な船舶用の大気酸素濃度連続測定装置を開発することを目的とする。また、開発された装置を日本−北米間を定期運航する貨物船に搭載して連続測定を実施し、フラスコサンプルによる酸素濃度との比較による分析精度の評価や、二酸化炭素濃度連続測定結果との相関解析等の初期解析を行う。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
市販されている燃料電池式酸素計を用いて、船舶用高精度酸素濃度連続測定装置を開発する。圧力・流量・温度等の安定化により1ppm以下の精度を実現する。また、標準ガスや参照空気の交換頻度をできるだけ少なくするために、少ない流量(〜10mL/min)でも高精度で分析できる方法を開発する。さらに、酸素濃度の分別が生じないような大気採取・除湿方法を検討し、長期観測が可能な計測システムを開発する。開発された酸素濃度連続測定装置を日本−北米間を定期運航する貨物船に設置し船上連続観測を開始する。同時に実施されるフラスコサンプリングによる酸素濃度分析結果と比較し連続測定の評価を行う。さらに、酸素濃度の船上連続観測結果の初期解析を行う。
今年度の研究概要
前年度に開発した分析システムのシステム制御およびデータ収集のためのソフトウエアを開発する。また、大気採取部、除湿部、標準ガス導入部(ガス切替装置)、酸素計+二酸化炭素計、およびデータ収集・システム制御部(PC)から構成される船上観測システムを、貨物船の限られたスペースにも設置できるようで装置全体をできるだけコンパクトにまとめる。平成27年度末までに、開発された船上O2連続測定システムを日本−北米間を定期運航する貨物船(New Century 2号)へ設置し、北部北太平域での大気酸素濃度の連続観測を開始する。
課題代表者
遠嶋 康徳
- 地球システム領域
- シニア研究員
- 理学博士
- 化学