- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1214CD001
- 開始/終了年度
- 2012~2014年
- キーワード(日本語)
- アオコ,霞ヶ浦,リボソーム RNA
- キーワード(英語)
- M. aeruginosa, Lake Kasumigaura, ribosomal RNA
研究概要
(1)定量的PCR を用いてMicrocystis aeruginosa のrRNA及びrDNA濃度を正確に測定することにより、その増殖(死滅)速度とrRNA/rDNAの関連について明らかにする。
(2)冬の湖水中と底泥中でのM. aeruginosaの越冬状態をrDNA濃度及びrRNA/rDNAから明らかにすると共に、室内実験により、低温に長期間さらされた場合の、増殖(死滅)速度とrRNA/rDNA比の関連について解明する。
(3)M. aeruginosaの春から夏の増殖及び秋の減衰に及ぼす環境因子の影響を、光環境、温度、栄養塩に焦点を絞り、室内実験と、現場観測により詳細に明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
(1)単離菌株を用いた室内培養実験において、温度条件、光条件、栄養塩条件を変化させて、経時的に試料を採取し、M. aeruginosaのrDNA濃度、rRNA濃度を測定するとともに、顕微鏡観察により、細胞数および細胞体積を算出する。これにより、rRNA/rDNA比の環境中での測定の有効性を確認する。
(2)霞ヶ浦の港内(かく乱小)、港外(かく乱大)に濁度計を設置し、濁度と水温の連続観測を行い、かく乱状態を把握する。6月〜9月にかけて、同地点において、晴天連続時、降雨前後に表層・中層及び底層のPARと水温の測定を行うと共に、サンプリングを行い、M. aeruginosa rDNA及びrRNA濃度、細胞数および細胞体積、栄養塩濃度の測定を行う。
(3)霞ヶ浦湖水、底泥を定期的に採取し、M. aeruginosa rRNA及びrDNA濃度を測定し、冬から春におけるM. aeruginosaの存在状況と増殖活性を推定する
今年度の研究概要
(1) コアの採取を越冬期(3月)、アオコ発生前後(6月及び9月)に実施し、底泥で越冬しているクローンと、湖水中で優占するクローンの関連、当該年度に発生したアオコの底泥への供給状況を解明する。
(2) 臨湖実験施設に設置している濁度計によるデータの収集を継続するとともに、多波長蛍光光度計を設置し、藍藻類の水中での挙動を解析し、表面への集積現象の検出を試みる。
(3) アオコ増殖期の現地における、採水を継続し、環境因子がアオコの発生に及ぼす影響を検討する。また、rRNA/rDNA比とクローンの差異を検討することによって、アオコ発生原因となるクローンの増殖の発生時期、継続期間の解明を試みる。
外部との連携
共同研究「発生前後の水質変化に基づくアオコの発生予測に関する研究」を環境システム株式会社 と共同で実施した。
- 関連する研究課題
- 23011 : 流域圏における生態系機能と環境因子の連動関係の定量評価に関する研究
- 0 : 地域環境研究分野における研究課題
課題代表者
冨岡 典子
- 地域環境保全領域
環境管理技術研究室 - シニア研究員
- 博士(農学)
- 生物学,農学