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東南アジア熱帯雨林における群落スケールのハロゲン化メチル放出量と変動要因の解明(平成 26年度)
Methyl halide emissions from tropical rain forest in Southeast Asia

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1214CD012
開始/終了年度
2012~2014年
キーワード(日本語)
塩化メチル,臭化メチル,生物起源揮発性有機化合物
キーワード(英語)
methyl chloride, methyl bromide, biogenic volatile organic compouds

研究概要

塩化メチルと臭化メチルは、活性なハロゲンを成層圏へ持ち込むキャリヤーとして、成層圏オゾン破壊全体の1/4に関与している。熱帯雨林は、塩化メチルの主要な発生源であることに加え、臭化メチルについても重要な発生源となっている可能性があるが、熱帯雨林におけるハロゲン化メチルの発生源・吸収源の多様性ゆえに、これらの発生源としての熱帯雨林の役割を正確に評価するには至っていない。そこで本研究では、微気象学的なフラックス計測手法である簡易渦集積法を初めてハロゲン化メチルに応用し、熱帯雨林の樹冠上におけるタワーフラックス観測を実施する。これにより、群落スケールのハロゲン化メチルフラックスを推定すると共に、その変動を支配する環境要因を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究では、熱帯雨林生態系から大気へのハロゲン化メチル放出量を明らかにするという目的を達成するため、以下の2つのサブテーマを設定する。
サブテーマ1 簡易渦集積(REA)法によるハロゲン化メチルフラックス観測システムの構築:メタンのフラックス観測用に開発・実用化されているREA装置に種々の改良を施し、ハロゲン化メチルのフラックス観測システムを構築する。
サブテーマ2 熱帯雨林におけるハロゲン化メチルのフラックス観測:開発したフラックス観測システムを用いて、東南アジア熱帯雨林におけるハロゲン化メチルのタワーフラックス観測を実施する。これにより、群落スケールにおけるハロゲン化メチルフラックスの日内・日々・季節変動を把握し、フラックスの変動を支配する環境要因(気温、湿度、日射、降雨量、地温、土壌水分等)を明らかにする。

今年度の研究概要

東南アジア熱帯林におけるハロゲン化メチルフラックス観測体制を整備し、観測を実施する。具体的には、半島マレーシア・パソ森林保護区のタワーサイトにおいて、上昇・下降気流を切り替えるためのリレーとデータロガー、バッグやポンプなどからなる試料採取部、テフロンチューブ等を設置する。更にタワー上の乱流データをデータロガーで集録・処理するように設定し、REA法によるハロゲン化メチルのフラックス観測を行う。観測によりハロゲン化メチルフラックスの変動パターンを把握し、変動の支配要因を明らかにする。

外部との連携

共同研究機関:京都大学、森林総合研究所

課題代表者

斉藤 拓也

  • 地球システム領域
    物質循環観測研究室
  • 上級主幹研究員
  • 博士(地球環境科学)
  • 化学
portrait

担当者

  • 横内 陽子