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「植物プランクトンの枯死に伴うリン化合物溶出モデル」の構築とインパクト予測(平成 26年度)
Evaluation of the impact of phytoplankton decay on water quality - modelling and impact

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1314CD004
開始/終了年度
2013~2014年
キーワード(日本語)
リンの形態分析,溶存性有機態リン,核磁気共鳴装置,酵素打ち込み法,フローインジェクション分析
キーワード(英語)
analysis of P compound, dissolved organic phosphorus, nuclear magnetic resonance, spiking enzyme experiment, flow injection analysis

研究概要

近年、様々な湖沼において、アオコが再発生しており、その理由としてリンの濃度が高いことがあげられる。アオコに代表される植物プランクトンが発生すると、それが底泥へと沈降するなどのプロセスを経て、生物に最も利用されやすい溶存態リンへと回帰が行われると考えられるが、その変動については未だ観測されていない。
 そこで本研究では、湖沼内の湖水に含まれているリンの形態の分析法を開発するとともに、その季節変動を観測するとこと第一の目的とする。第二の目的は、植物プランクトンがバクテリアによる分解を受けた時に放出されるであろうリンの形態を分析を行うことである。これらを行うことによって、植物プランクトンが枯死分解を受けた際に発生するリンの形態を定量的に把握することが最終的な到達点である。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

一年目は富栄養化湖沼の代表である茨城県霞ヶ浦において、湖水中に含まれるリンの形態分析方法を確立することを目的とする。形態分析については以前から我々が行っている方法で抽出、前処理を行い、分析については所内で所有している核磁気共鳴装置NMRを用いて行う予定である。
二年目は培養した霞ヶ浦において採取された植物プランクトンを分解させ、そこから放出されるリンの形態を測定する。

今年度の研究概要

2013年度は霞ヶ浦の湖水中に含まれるリンの形態を測定する測定手法を開発する。濾過湖水を数十リットル濃縮し、そこからリンを抽出・分析を行う予定である。

2014年度は,(1) 植物プランクトンの枯死・リン流出モデルの作成 (2)流出したリンの形態分析 を行う.
1について:本研究は,植物プランクトンを,プランクトンネットを用いて採取・分解実験を行うものである.時期については夏・冬の2回実験を行う予定である.異なる時期で分析を行い,定式化・モデル化を行うことにしている.

2について:植物プランクトンから流出したリンは,様々な形態が存在する.その溶存したリンの分析方法は様々存在するが,酵素を添加しリンの形態分析を行う手法の開発を行う.またその方法を適用し,霞ヶ浦のリンの動態の解析を行う.分析量が多量になると思われるので,リンの分析を自動化する装置の開発を行う.

関連する研究課題

課題代表者

篠原 隆一郎

  • 地域環境保全領域
    湖沼河川研究室
  • 主任研究員
  • 博士(環境学)
  • 土木工学,工学,地理学
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