- 予算区分
- BY 環境-委託請負
- 研究課題コード
- 1115BY002
- 開始/終了年度
- 2011~2015年
- キーワード(日本語)
- 温室効果ガス観測技術衛星,検証,二酸化炭素,メタン,フーリエ変換分光計,航空機測定
- キーワード(英語)
- GOSAT(Greenhouse gases Observing SATellite), validation, carbon dioxide, methane, Fourier transform spectrometer, aircraft measurement
研究概要
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、独立行政法人国立環境研究所(NIES)、環境省は、主要な温室効果ガスである二酸化炭素やメタンの濃度を宇宙から測定するGOSAT(温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」)プロジェクトを推進している。GOSAT搭載センサ(TANSO)は、2009年1月23日にJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられた。2009年10 月30 日には、輝度スペクトルと観測画像データの一般提供を開始し、翌2010 年2 月16 日には、二酸化炭素・メタン濃度等の解析データの一般提供を開始した。GOSAT観測データから導出されたプロダクト、すなわち二酸化炭素やメタンの濃度を信頼できるプロダクトとし、科学利用や政策に資することを可能とするためには、地上観測や航空機観測から得られる不確かさの小さいデータを用いて、プロダクトのデータ質の検証を行うことが必須である。
平成22年度までの3年間、検証業務(1年は準備業務)を実施して、一般に公開されているデータ質の検証を行い、バイアスやばらつきを明らかにしてきた。今後、少なくともGOSATミッション予定期間(3年以上を予定)中は、衛星搭載センサの経年劣化によるプロダクトのデータ質の変化が起こり得るため、また解析アルゴリズムの改訂が行われこれにより新たにプロダクトが作成されるため、それらGOSATのプロダクトが科学研究等に的確に利用されるには検証作業を継続する必要がある。
本業務の5年間のうち、前半3年間はGOSATプロダクトの検証に重点を置き、後半2年間は森林炭素収支減少量削減に係る観測技術に資する検証観測等に重点をおく。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
GOSATプロダクトの検証をNIESが行うにあたり前半3年間は、
(1)検証データ取得、
(2)GOSATプロダクト検証解析と必要に応じてGOSATプロダクトの補正、
(3)過去のGOSATプロダクトの妥当性確認、
(4)専門家からの助言を求めるための会合の運営等、
(5)業務報告書の作成、
を行う。
後半2年間は森林炭素収支減少量削減に係る観測技術に資する検証観測と解析等に重点をおいた業務を行う。
今年度の研究概要
(1)GOSAT データの検証に有効なデータである地上設置高分解能フーリエ変換分光計観測網で取得されたデータを入手する。更に、GOSAT データの検証に必要なデータ(地上気象観測、エアロゾルライダー、スカイラジオメーター、サンフォトメーター、航空機観測等による各種観測データ等)を国内外の研究機関等から取得する。
(2)GOSAT に搭載されているFTS の経年劣化や日々の誤差要因によるGOSAT データへの影響を評価するため、前項で取得したデータを用いてGOSAT データの検証解析を行う。GOSAT データの精度に問題がある場合は、その原因の調査を行う。
(3)前項で精度に問題があるとされたデータについて、その原因解析に基づき、補正手法を検討し、補正を施す。
(4)打ち上げ以降平成25 年末までのすべてのGOSAT データの検証、補正を行い、補正後のデータの妥当性を評価する。
(5)検証に関連する知見を専門家より得るため、GOSATサイエンスチーム会合の運営、研究公募に関連する会議の実施等と必要な事務作業を行う。
(6)GOSAT の科学的成果に関する政策決定者向けレポートを作成する。
(7)上記業務に関する業務報告書の作成を行う。
外部との連携
米国カルフォルニア工科大学、オーストラリアウーロンゴン大学、ニュージーランド国立水圏大気研究所、ドイツブレーメン大学から、検証データの早期提供の協力を受けている。
備考
当課題は地球環境研究センター独自のプロジェクトとしての「国環研GOSATプロジェクト」の母体をなしている。
- 関連する研究課題
課題代表者
森野 勇
- 地球システム領域
衛星観測研究室 - 室長(研究)
- 博士 (理学)
- 物理学,化学
担当者
-
内野 修
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井上 誠
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中前 久美
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横田 達也