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水田を利用するトンボの越冬ステージからみた水稲箱苗施用剤耐性(平成 26年度)
Relation between difference of overwintering stage of dragonfly and tolerance for nursery-box-applied insecticides

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1416CD003
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
トンボ,箱苗施用剤,越冬ステージ
キーワード(英語)
dragonfly, nursery-box-applied insecticides, overwintering stage

研究概要

本研究の目的は,アキアカネ激減の原因は孵化直後の若齢ヤゴにおける箱苗施用剤のイミダクロプリド,およびフィプロニル感受性が高いためであり,水田利用性トンボ類の越冬ステージ型が箱苗施用剤感受性パタンを決定するという仮説を検証することである.「急性毒性試験による半数致死濃度算出」,「実水田における農薬濃度測定」,および「ヤゴの利用ハビタット調査」の結果に基づき,水田を利用するトンボの分布を田植え時の高濃度農薬を経験するヤゴのステージの違いで説明することを目指す.
 本研究では,研究期間内に次の3項目について調査をおこなう.(1)急性毒性試験によりアキアカネやシオカラトンボにおけるイミダクロプリド,およびフィプロニルの薬剤感受性を明らかにする,(2)実水田や周辺止水域における水,および土に含まれるイミダクロプリド,およびフィプロニルの濃度を測定する,(3)水田利用性トンボ類ヤゴの利用ハビタットを調査し,棲息する水田や周辺止水域が兼ね備える条件を選別する.これら3項目の結果から,箱苗施用剤として使用されるイミダクロプリド,およびフィプロニルが水田を利用するトンボに及ぼす影響を解析し,アキアカネを含む水田利用性トンボ類の個体群維持管理に求められる条件の選定をおこなう.

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

箱苗施用剤として用いられるイミダクロプリド,およびフィプロニルが水田利用性トンボ類に及ぼす影響を明らかにするために,ヤゴにおける急性毒性試験をおこない,半数致死濃度を算出する.また,田面水や土に含まれるイミダクロプリド,およびフィプロニルをLC/MS/MSによって測定する.水田や周辺止水に棲息する水田利用性トンボ類ヤゴの分布調査をおこなうことにより,利用ハビタットを解明する.これらの結果に基づいて,水田利用性トンボ類の越冬ステージ型が箱苗施用剤感受性パタンを決定するという仮説の検証を試みる.

今年度の研究概要

平成26年度は,つくば市近郊における水田利用性トンボ類ヤゴの分布調査をおこない,実水田や止水から採集した水・土サンプルの農薬濃度測定結果と対応させることにより,イミダクロプリド,およびフィプロニルを使用している水田を各種ヤゴが利用しているかどうかを評価する.また,次年度春期におこなう急性毒性試験に用いる卵越冬型トンボ類卵を採集する.水田利用性トンボ類は,卵越冬型としてアキアカネとナツアカネ,幼虫越冬型としてシオカラトンボとショウジョウトンボを対象とする.

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

笠井 敦