- 予算区分
- NA 寄付
- 研究課題コード
- 1315NA001
- 開始/終了年度
- 2013~2015年
- キーワード(日本語)
- 自然資源,制度設計,土壌保全,持続可能
- キーワード(英語)
- Natural resource, Institutional design, Soil conservation, Sustainability
研究概要
我々は大気・水など公共財に対する資源的価値を認め、国としてそれらを様々な形で法制度化して保全する枠組みを構築してきた。しかし、現行の我が国の法的制度として、包括的な土壌の保全にまつわる枠組みは存在しない。そのため、国土のグランドデザインにおいても土壌資源を有効に利活用しながら、かつ、持続的に保全するという観念や価値観が非常に乏しい状況にある。そこで本研究では、他国の先行事例を踏まえながら、我が国の多様な気候・地形・地質条件に適した土壌保全のあり方は何かという、自然資源の構成要素のうち、最も社会的認識の欠如が懸念される土壌と我々の社会との関係に新たなフレームワークを提示する。その具体的な成果として、仮称-土壌保全基本法の素案を作成する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:政策研究
全体計画
本課題を進める上で、次の3つのサブテーマ構成とした。
1)先行事例のレビューワーク
土壌保全を謳った制度を有する諸外国の先行事例について詳細なレビューワークを行う。
2)土壌保全施策に関し成文化した事例をもつ諸外国との制度設計における意見交換
制度設計事例のある諸外国の研究者や制度担当者との意見交換会を実施し、制度設計作業や背景となった経緯・諸課題についての情報収集を行う。
3)土壌保全基本法の草案作成作業
サブ1)、2)を踏まえ、我が国に適した土壌保全に対する制度設計、すなわち土壌保全基本法の草案を作り上げる。
今年度の研究概要
先行事例のレビューワーク
土壌保全を謳った制度を有する国や機関は決して多くは無い。しかし世界には検討段階も含め数例の事例が存在する。その事例について文献調査を中心に一つ一つ詳細なレビューワークを行い、制度設計に至った背景や課題など、考え方の枠組みとなったものを整理し、我が国に必要な事項の検討を行う。また、この中で土壌資源に対する価値認識の歴史や情報の整備手法についても併せて調査を行い、他国の制度所管担当者から学んだ情報を踏まえ、(仮称)土壌保全基本法と合わせて整備すべき制度の洗い出しを行う。
外部との連携
共同研究者:魚井夏子(首都大),大倉利明(農環研), 太田和彦(武蔵高校), 風見正三(宮城大),川井伸郎(クレアテラ),浜田龍之介(農工大)
備考
トヨタ財団研究助成
- 関連する研究課題
- 0 : 地域環境研究分野における研究課題
課題代表者
村田 智吉
- 地域環境保全領域
土壌環境研究室 - 主幹研究員
- 博士 (農学)
- 農学,地学