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静脈産業のアジア地域への移転戦略の構築に関する研究(平成 25年度)
Development of Strategy on Transfer of Japanese Venous Industry to Asia

予算区分
BE 環境-推進費(補助金)
研究課題コード
1113BE008
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
静脈産業,アジア,移転戦略,SWOT分析,事業モデル
キーワード(英語)
venous industry, Asia, transfer strategy, SWOT analysis, business model

研究概要

現在,アジア地域の静脈産業市場では欧米企業の進出が活発であり,わが国は出遅れている。わが国のこれまでの公共主導,箱物型の技術移転の在り方を見直し,欧米等による不適正な技術を用いた利益確定重視な事業展開に対抗すべきである。本研究では,日本がアジアという風土で培ってきた静脈産業の途上国への持続的な移転を促すため,先行事例や日本型技術,事業環境を精査し,日本の廃棄物処理業等が廃棄物・資源管理事業をアジア地域で事業を展開する際の戦略を提示する。
 具体的には,日本型技術の優位性を技術開発史と欧米技術との対峙により評価する。現地パートナーの資質や既存市場,行政・法制度等の事業環境を特定する。先行事例と共に事業の適切な展開範囲を分析する。複数のアジア都市で資金調達手法や利益化手法,環境改善効果評価を含めた事業モデルを立案し,複数事例を一般化して事業者が活用できるツールとなる技術移転戦略を提示する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

(1)わが国の静脈産業の技術・管理手法メニューの提示:
スターダスト計画等の廃棄物資源循環の技術史,国および自治体の過去数十年の白書分析による静脈産業振興政策史,資源回収業,産廃処理業および一廃処理業等の静脈産業史を編纂し,これらに開発途上国の発展段階を重ね合わせて,官民の連携手法を含めた技術・管理手法を抽出する。MBT(機械生物処理)等の欧米型技術・管理手法をレビューして,これに対する日本型技術の優位性をアジア風土との適合性において評価する。
(2)アジア都市における静脈産業の事業環境の評価:
わが国および欧米からの廃棄物資源循環市場への参入および支援の事例レビューおよび現地調査より,廃棄物循環資源のフローと静脈産業市場,既存処理業・コンサルタントを含めた現地パートナーの所在や資質,行政・法制度,地域コミュニティー等の事業環境の要素を抽出し,地域間で比較して,アジアでの一般化と地域特性を評価する。
(3)わが国の静脈産業移転に関する事業領域の特定:
メニュー化された技術・管理手法をアジア都市における事業環境に導入する際の事業領域を,事業環境における機会と脅威,事業・技術の強みと弱みに2軸において整理するSWOT分析によって特定する。
(4)アジア都市における廃棄物資源循環事業モデルの立案:
複数のアジア都市をモデルとして,特定された事業領域における具体的な事業モデルを,資金調達手法の選択および利益化手法と共に立案する。立案されたモデルにおける物質フローを解析し,事業の衛生,美観,環境汚染,温室効果ガス排出量,資源保全量等の側面おける環境改善効果をLCA等の手法によって示す。
(5)静脈産業のアジア地域への移転戦略:
以上の複数地域での取り組みを総合化して,対象国に対して,日本の静脈産業のアジア地域への移転における移転技術・管理手法,進出企業種類,対象ビジネス,ビジネスパートナー等を選択するツールとして活用できる戦略を示す。

今年度の研究概要

我が国の廃棄物管理の技術史、政策史、静脈産業史をまとめ、欧米技術に対する優位性を特定して、技術・管理手法をメニュー化する。マレーシア国において、資料調査・現地調査を行って、事業環境を把握し、SWOT分析を行って事業領域を特定した上で、事業モデルを立案する。また、最終年度として、これまで立案された事業モデルに対して収益性評価ツールの適用し、事業評価するとともに、事業領域を総合化し東南アジア全体に対する移転戦略を類型化する。

外部との連携

共同研究機関:株式会社エックス都市研究所、株式会社市川環境エンジニアリング、株式会社サステイナブルシステムデザイン研究所

課題代表者

山田 正人

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 室長(研究)
  • 京都大学博士(工学)
  • 工学,生物工学,化学工学
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担当者