- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1213CD005
- 開始/終了年度
- 2012~2013年
- キーワード(日本語)
- 複合機能製品,物質ストック・フロー分析,脱物質化,製品機能
- キーワード(英語)
- multifunctional products, material stock and flow analysis, dematerialization, function of products
研究概要
複合機能製品は従来の単機能製品に比べて製品の保有・使用に伴う資源使用量の削減に寄与できる可能性がある一方で,多機能を付加価値として製品の追加的な保有に結び付き,社会全体としてはかえって資源使用量を増加させている可能性もある。本研究では,複合機能製品の多機能性を考慮した機能ベースの製品保有・排出台数推計手法の開発を行い,複合機能製品に係る機能ベースの物質ストック・排出量推計のケーススタディを行う。推計結果から複合機能製品の普及による製品単位および社会全体での省資源化効果を比較考察するとともに,電気電子製品の保有・使用の変遷をふまえた資源使用量の測定における提示手法の有用性を示す。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
電気電子製品の機能ベースの物質ストック・排出量推計手法を開発し,複合機能製品の普及による省資源化効果の評価を行う。1年目は,ある単位機能に着目した場合の機能ベースの保有・排出台数の推計手法を開発する。出荷統計から製品機能の有無ごとの出荷台数データを作成する方法を提案し,いくつかの機能を対象に出荷台数データベースを整備する。これをもとに製品使用年数(寿命)分布を考慮した動的な分析を行い,製品ごとの保有・排出台数を推計,機能ごとに積み上げることで,機能ベースの保有・排出台数を推計する手法を確立する。2年目は,1年目の成果をベースに,複合機能製品の多機能性を考慮した物質ストック・排出量の推計を行う。ある複合機能製品に着目し,その製品の持つ複数の機能についての物質ストック・排出量の総和を時系列的に推計する。その結果から複合機能製品の普及による省資源化効果を評価する。
今年度の研究概要
スマートフォンによる従来型単機能製品の代替効果の推計の中で,携帯音楽プレーヤーやデジタルカメラの保有台数の推計における保有台数の推計値と統計値や市場調査値の整合性を確認しつつ,推計の修正を行う。保有台数に加えて機能ベースの排出台数の推計を行うとともに,各種製品の素材構成比や金属含有量データを用いて保有・排出台数を素材や金属元素の使用量に換算し,複合機能製品の普及による物質・金属元素等使用量の推移,省資源化効果を定量的に示す。また,可能な範囲でケーススタディの対象機能を増やすことを検討する。
課題代表者
小口 正弘
- 資源循環領域
資源循環社会システム研究室 - 主幹研究員
- 博士 (工学)
- 工学,システム工学,化学