- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1213CD002
- 開始/終了年度
- 2012~2013年
- キーワード(日本語)
- 微生物燃料電池,排水処理
- キーワード(英語)
- Microbial fuel cells, Wastewater treatment
研究概要
現在、都市下水や産業排水などの有機性排水の大部分は、好気性微生物による処理が施されている。しかし、 現状の排水処理では多大な曝気電力の消費と余剰汚泥の大量発生等の解決すべき問題がある。 本研究課題では、消費エネルギーや余剰汚泥の発生量が少なく、排水に含まれる有機物から電気エネルギーの直接回収が可能な微生物燃料電池(MFC)の排水処理への適用において発電性能と有機物除去性能を改善するための新規システムの開発を行う。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
本研究課題では、有機性排水処理への適用において十分な処理性能・発電性能を発揮し得る微生物燃料電池技術の確立を目指し、複数の微生物燃料電池をスタック構造化した新規MFCシステムの開発を行う。また、スタック化要素技術として高電導グラニ ュール担体を用いるUASB型の微生物燃料電池装置等の開発を行い、その性能評価を行う。
H24年度:既存技術に対抗しうる排水処理性能・発電性能を達成するためのスタック構造を有する微生物燃料電池装置(StMFC)の開発と、人工排水供給による性能評価を行う。また、各アノード槽における有機物分解特性や微生物群集構造の評価を行う。
H25年度:実排水(低~中有機物濃度の食品加工産業排水を想定)へのStMFCの適用を想定した排水処理試験を実施し、 発電性能、処理性能等の評価により開発微生物燃料電池システムの有効性を評価する。また、前年度に得られた有機物分解特性等をもとに微生物燃料電池装置の改良を行い、排水処理能力及び発電性能の向上を図る。
今年度の研究概要
(1)スタック型微生物燃料電池システムの開発
実排水(低〜中有機物濃度の食品加工産業排水を想定)へのStMFCの適用を想定した排水処理試験を実施し、 発電性能、処理性能等の評価により開発微生物燃料電池システムの有効性を評価する。
(2)微生物群集構造の調査
各装置のアノード槽内保持微生物(電極、バルク液)に関して16S rRNA遺伝子に基づく菌相解析による発電微生物の同定を行う事で、有機物分解特性と主要構成微生物群との関連を評価し 、処理・発電性能向上のための基礎知見を収集する。
- 関連する研究課題
- 0 : 地域環境研究分野における研究課題
課題代表者
珠坪 一晃
- 地域環境保全領域
- 副領域長
- 博士(工学) エネルギー・環境工学
- 工学,土木工学,生物学