- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1113CD010
- 開始/終了年度
- 2011~2013年
- キーワード(日本語)
- 環境変動,リモートセンシング,対流圏オゾン,大気質,化学輸送モデル
- キーワード(英語)
- environmental change, remote sensing, tropospheric ozone, air quality, chemical transport model
研究概要
対流圏オゾンは近年特に東アジア地域で増加しており、光化学オキシダントの主要物質として健康被害の増加、農作物の減収、社会資本の劣化という形で影響するほか、オゾン自身がメタンに匹敵する温室効果気体である。本研究グループでは世界的にも数少ない対流圏オゾンライダーを使った対流圏オゾンの連続鉛直観測に加えて、世界最先端の化学輸送モデルに関する研究を行っており、この両者を統合することによって日本域の対流圏オゾン監視予測技術高度化の基盤の構築が可能となる。
本研究では、従来は難しかった対流圏オゾンの高頻度監視を行い、日本域における対流圏オゾンの特異現象(高濃度オゾンベルトなど)の定量化を図ると共に領域化学輸送モデルの開発を行い、対流圏オゾンの監視予測情報の作成に必要な技術基盤を確立する。具体的には、以下の事項を達成することを目指す。
・高濃度オゾン現象の時間空間的スケールの把握
・対流圏オゾンの起源毎の寄与はどのようになっているかの定量化
・成層圏オゾン侵入の頻度、事例毎の侵入量と変動幅の理解
・以上を総合することによる数年程度の対流圏の各高度におけるオゾン濃度の動態把握
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
(年度毎の研究計画)
平成23年度(データ収集、事例解析、領域化学輸送モデルの構築)
・ ライダーによる対流圏オゾンの高頻度観測体制を整える。
・ 地上観測データの収集ならびに品質管理を行う。
・ 衛星観測データの解析手法を開発する。
・ 観測データ(ライダー、地上、衛星)をデータベース化する。
・ 観測データ及び化学輸送モデルによる現象の同定及び水平スケールの推定を行う。
・ 領域化学輸送モデル(NHM-Chem)のプロトタイプを構築する。
平成24年度(データ収集、事例解析、同化実験)
・ ライダーによる対流圏オゾンの観測を行い、一様なデータセットを取得する。
・ 観測された成層圏オゾン侵入及び高濃度オゾン事例の一次解析を行う。
・ 観測データ及び領域化学輸送モデルによる現象の同定及び水平スケールの推定を行う。
・ NHM-Chemの検証結果よりモデルの改良を行う。
・ 収集した観測データ(ライダー、衛星、地上)を用いた予備解析を実施する。
平成25年度(データ収集、事例解析、キャラクタライズ、予測性能評価)
・ ライダーによる対流圏オゾンの観測を行い、一様なデータセットを取得する。
・ 領域化学輸送モデルを運用し、監視予測性能を評価する。
・ 観測された成層圏オゾン侵入及び高濃度オゾン事例の事例解析を行う。
・ 観測データ及び領域化学輸送モデルによる現象の同定及び水平スケールの推定を行う。
・ 成層圏オゾン侵入と高濃度オゾンの発生頻度や地上への到達可能性などについてまとめる。
・ 対流圏オゾンの動態、起源毎の寄与などについてまとめる。
今年度の研究概要
本研究はライダーグループとモデルグループが連携して研究を実施する。平成25年度研究実施計画は以下の通りである。
・ ライダーによる対流圏オゾンの観測を行い、一様なデータセットを取得する。
・ 領域化学輸送モデルを運用し、監視予測性能を評価する。
・ 観測された成層圏オゾン侵入及び高濃度オゾン事例の事例解析を行う。
・ 観測データ及び領域化学輸送モデルによる現象の同定及び水平スケールの推定を行う。
・ 成層圏オゾン侵入と高濃度オゾンの発生頻度や地上への到達可能性などについてまとめる。
・ 対流圏オゾンの動態、起源毎の寄与などについてまとめる。
外部との連携
科研費課題代表者:眞木貴史室長(気象庁気象研究所)。本研究は気象研究所を中心に、国立環境研究所、佐賀大学等が研究グループを構成し研究を実施する。
備考
上記の目的または全体計画は科研費の全体の内容を記載し、内容及び成果は本課題(分担)部分を記載したものである。
- 関連する研究課題
課題代表者
森野 勇
- 地球システム領域
衛星観測研究室 - 室長(研究)
- 博士 (理学)
- 物理学,化学
担当者
-
内野 修