- 予算区分
- AQ センター調査研究
- 研究課題コード
- 1212AQ014
- 開始/終了年度
- 2012~2012年
- キーワード(日本語)
- 下水処理,散水ろ床法,原生動物,後生動物,安定同位体比
- キーワード(英語)
- sewage treatment, trickling filter, protozoa, metazoa, stable isotope ratio
研究概要
下水処理における余剰汚泥量の発生抑制は、途上国における下水処理施設の普及や温室効果ガス削減の観点から重要である。スポンジ担体を利用した好気性ろ床型の下水処理システムは、高濃度の汚泥保持(低汚泥負荷維持)により、余剰汚泥の発生量が抑制できる。しかし、余剰汚泥量の抑制機構(内生呼吸、食物連鎖など)は不明であり、制御方法も確立されていない。そこで本研究では、好気性ろ床における、水質や保持汚泥の微生物活性、細菌相、微小動物相、安定同位体比の解析により、余剰汚泥発生に関わる基礎知見を収集することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
好気性ろ床装置における有機物や窒素の除去特性や汚泥活性の評価を行うことで、処理機能を定量的に評価する。また、保持汚泥のrRNAに基づいた微生物相解析や顕微鏡観察によって菌相解析を行う。さらに、保持汚泥や微小動物の安定同位体比(δ13Cとδ15N)を測定する。以上の結果をまとめ、保持汚泥における微生物生態系の解析を行うことで、好気性ろ床装置における排水浄化および汚泥減容化機構の評価を行う。
今年度の研究概要
現在稼働中の好気性ろ床装置での水質プロファイルの測定により、有機物や窒素などの処理特性を把握する。同時に、装置高さ方向での保持汚泥の内生呼吸、有機物酸化、アンモニア酸化活性等の測定により、細菌群の活性や処理機能を定量的に評価する。また、保持汚泥のrRNAに基づいた微生物相解析により主要な微生物種の同定を行う。さらに、流入下水、保持汚泥、微小動物の安定同位体比を測定し、リアクターの流下方向における保持汚泥の同位体比の変化を把握することで、保持汚泥の減容化と微生物生態系の関係を評価する。
外部との連携
長岡技術科学大学
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