- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1113CD011
- 開始/終了年度
- 2011~2013年
- キーワード(日本語)
- 環境化学物質,酸化ストレス,エピジェネティクス,DNA修復酵素,転写因子
- キーワード(英語)
- Environmental chemicals, Oxidative stress, Epigenetics, DNA repair enzyme, Transcription factors
研究概要
環境化学物質による遺伝子発現変化において、化学物質のエピジェネティック作用の関与が報告されつつある一方で、化学物質がエピジェネティック作用を誘導する機序についてはほとんど明らかにされていない。本研究では、多くの有害環境化学物質の毒性発現に関与する酸化ストレスを発端として、それによって活性化される転写因子、または損傷を受けたDNAを修復するために誘導されるDNA修復酵素群と、エピジェネティクス関連因子との相互作用に着目し、化学物質によるエピジェネティック変化誘導の機序の解明を行う。また、酸化ストレスやDNA損傷、エピジェネティック変化に対する感受性の性差に関しても検討を行う。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
野生型マウスまたは変異原性検出用遺伝子導入マウス (gpt deltaマウス)に、無機ヒ素やメチル欠乏食を単独/複合投与し、肝臓に酸化ストレスを与える。この肝臓においてDNA損傷に関わる因子、転写因子の活性変化・遺伝子発現変化、エピジェネティクスに関わる因子の変動を、化学機器分析や生化学・分子生物学的分析によって明らかにする。これらの中から、標的となるゲノム部位におけるDNA修復酵素、転写因子、エピジェネティクス関連酵素の相互作用を明らかにし、酸化ストレスからエピジェネティック変化に至る道筋を決定する。
今年度の研究概要
昨年度の結果から、メチル欠乏食を投与したマウスの肝臓において、酸化ストレスを起点とするDNA低メチル化の新たな機序として、能動的脱メチル化の関与が重要であることが示唆された。そこで本年度は能動的脱メチル化経路にも注目して検討を行う。本年度は、低メチル食投与による能動的脱メチル化関連酵素の発現や脱メチル化の中間体である5-hydroxymethocytosineの測定、ヒストン修飾変化、および昨年度の検討で低メチル食によって発現変動することが観察されたDNAメチル基転移酵素やDNA損傷修復酵素、および転写因子の相互作用について検討する。
課題代表者
野原 恵子
担当者
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青木 康展
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佐野 友春
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内匠 正太