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日本産キクメイシ科サンゴの同定基準の確立とその地理的分布の解明(平成 24年度)
Establishment of criteria for identification of faviids in Japan

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
1212NA001
開始/終了年度
2012~2012年
キーワード(日本語)
サンゴ,同定
キーワード(英語)
coral, identification

研究概要

キクメイシ科サンゴは、日本の造礁性イシサンゴ類では主要な分類群の一つであるにも関わらず、属レベルでの同定・分類基準が不明瞭なものが多く、その中には実態すらよく分からない種群も存在する。近年、高水温に伴う大規模白化やオニヒトデの大発生などにより、多様なサンゴ礁景観を創出していたミドリイシ科サンゴが激減し、相対的にこれらへの耐性が大きいキクメイシ科のサンゴが、サンゴ礁内でよく目につくようになってきた。こうした現状から、今後のサンゴ礁での生物相調査やその関連研究においては、キクメイシ科サンゴのより正確な同定が求められる可能性が高い。しかし、近年のサンゴ図鑑に掲載されている各種の特徴や生息環境の情報だけでは、専門家ですら各種を正確に同定することが難しい。よって本研究では、同定基準が不明瞭で未だその実態が解明されていないキクメイシ科サンゴについて、その正確な同定基準を明らかにし、日本に生息する属・種とそれらの地理的分布を解明する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

キクメイシ科サンゴの同定基準の確立(日本生息種の実体の解明)と各海域の生息種リストの作成(各種の地理的分布の解明)を行う。これまで日本各地で行ったサンゴ骨格の採集を伴う分布調査から、日本の主な海域ごとに生息するキクメイシ科サンゴの種リストを作成し、各種の正確な国内での地理的分布を明らかにする。また、東北大学総合学術博物館や琉球大学資料館(風樹館)などが所蔵するサンゴ標本を活用し、申請者らの調査が不十分と思われる種や海域の情報を補完する。なお、前者の標本は、1930年代に本州とパラオから採集されたものがほとんどで、その多くは現在用いられていない当時の学名のままで登録・保管されている。一方、後者の標本は、70年代に中城湾で採集されたものと産地不明のものを多く含む。しかし、それらの多くは未整理または誤同定のものが多く、他の収蔵資料のような電子目録が未だ出版されていない。よって、本研究でこれらのサンゴ標本を観察して再同定した結果は、将来的にこれらの機関がサンゴ標本の再整理や目録作成を行う際に、非常に役に立つことが期待される。

今年度の研究概要

同上

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

杉原 薫