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医薬品等糖質コルチコイド様物質による環境汚染レベルの把握と生態影響評価(平成 23年度)
Aquatic environmental impact assessment and monitoring for glucocorticoid-like compounds used as pharmaceutical products

予算区分
BY 環境-委託請負
研究課題コード
1114BY001
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
水圏生態影響評価,バイオアッセイ/化学分析,医薬品
キーワード(英語)
Aquatic environmental impact assessment, in vitro bioassay combined with chemical analysis, ■pharmaceutical products

研究概要

本研究では,天然および合成糖質コルチコイド(GCs)の生態影響評価を行うための基礎情報を集積する。港湾域より採取した河川水試料中に含まれるGCsを機器分析およびin vitroバイオアッセイの併用でモニタリングし、個々のGCsの濃度に加え,GC受容体アゴニストの包括的活性値を把握する。また、メダカを対象としてGCsの濃縮性試験や卵移行試験等を実施し、in vivoでの影響評価を併せて行い、GCsの環境影響評価の基礎を築く。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究では,in vitroバイオアッセイと機器分析を併用して環境試料中に存在するGCsを検出し、GCsによる環境汚染レベルの現状を把握する。また、GCsの環境影響評価を行うための基礎情報となる濃縮性試験および卵移行試験を実施し、GCsの生体内挙動を理解し、標的となる生体機能やリスクの高いライフステージの特定を試みる。

平成23年度
国内河川等におけるGCsの環境中レベルを把握するための初期段階として、東京、神奈川、愛媛の河川より採取した水試料中のGRアゴニスト活性をin vitroバイオアッセイで測定するとともに、主要なGCsを機器分析によって測定する。これらのデータから、環境中より検出されたGRアゴニスト活性の総和における医薬品の寄与を明らかにする。

平成24年度以降
バイオアッセイおよび機器分析の併用による環境中GCsのモニタリングを、対象地域を拡大して実施する。また、総GRアゴニスト活性に対する医薬品以外の物質による寄与を明らかにし、新規GC様物質の特定を行うとともに、同物質の環境中レベルを明らかにする。さらに、比較的環境中からの検出頻度が高いGCsの濃縮性試験および卵移行試験を実施する。

モニタリングデータを総括し、とくに総GRアゴニスト活性に対して寄与率の高い物質については、その汚染源を明らかにし、環境負荷量を減少させるための対策を講じる。また、濃縮性試験と卵移行試験より明らかにされるGCsの標的となる生体機能や高リスクのライフステージに対する影響を精査する。現在のところ、免疫機能および関連遺伝子群の発現量変化や、発生期の器官形成不全などを対象とする予定としている。

今年度の研究概要

平成23年度は、水環境水中のGCs濃度およびGC受容体アゴニスト活性を測定し、医薬品の寄与を明らかにするとともに、GCsの環境動態、分解性、生物濃縮性の解析評価に着手する。

外部との連携

愛媛大学沿岸環境科学研究センター 仲山慶 講師(研究代表者)
愛媛大学上級研究員センター 磯部友彦 上級研究員

課題代表者

鈴木 剛

  • 資源循環領域
    資源循環基盤技術研究室
  • 主幹研究員
  • 農学博士
  • 生化学,化学
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