ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

マルハナバチの巣内遺伝構造と性比をめぐる女王・ワーカー間の対立関係の解明(平成 23年度)
Genetic structure and queen-worker conflict over sex ratio in bumblebees

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
1011NA001
開始/終了年度
2010~2011年
キーワード(日本語)
外来生物
キーワード(英語)
alien species

研究概要

マルハナバチの野生巣を用いて、個体群内およびコロニー内遺伝構造の解析を実施し、交尾回数および血縁度を解析し、コロニー間における血縁度不均衡の有無や分断性比の要因を解明することを目的とする。さらに、野生化したセイヨウは、工場で累代飼育されており、人為的選抜を受けていると考えられる。そこで在来種の採集コロニーにおいても同様の分析を実施し、セイヨウの侵略性に寄与する生態特性を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

セイヨウおよび在来種の野生巣を材料に、マイクロサテライトDNAマーカーを用いた分子遺伝解析手法により、コロニー内および個体群内の遺伝構造、女王の交尾回数、コロニー内の個体間血縁度を推定する。その結果から、女王とワーカーの性比をめぐる対立関係の解明を目指す。同時に、セイヨウオオマルハナバチの商品コロニーは人為的選抜を受けている可能性があり、在来種の繁殖様式を比較することで、本種の侵略性に寄与する生態特性を明らかにする。

今年度の研究概要

(1) 女王の交尾回数
文献情報(Paxton et al. 2001)の手法を用いて、父系対立遺伝子を識別する。採集した巣に女王が不在の場合は、娘ワーカーから女王の遺伝子型を推定する。

(2) コロニー内の個体間血縁度
文献情報(Queller & Goodnight1989)の血縁度推定法を用いて、マルハナバチのコロニー内の個体間血縁度を推定する。また、近交係数(F:近親交配の程度をあらわす指数)を推定し、女王とオスの近縁関係を明らかにする。

(3) 個体群内の遺伝構造
文献情報(Estoup et al. 1993, 1995)およびデータベースから設計したマイクロサテライトDNAマーカーを用いたPCR法により、各巣ワーカー20個体程度における特定遺伝子領域の増幅を行う。増幅が認められたDNA断片はオートシークエンサーによりフラグメント解析を行い、個体群内の遺伝構造を明らかにする。また、巣間の距離とコロニー間血縁関係を明らかにする。

備考

共同研究者:土田浩治(岐阜大学)、五箇公一(国立環境研究所)

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

井上 真紀