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熱帯・亜熱帯林生態系による自然起源オゾン破壊物質のガス交換過程の解明(平成 22年度)
Biogenic ozone depleting gas exchange in tropical and subtropical forest ecosystems

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0910CD005
開始/終了年度
2009~2010年
キーワード(日本語)
塩化メチル,臭化メチル,成層圏オゾン
キーワード(英語)
methyl chloride, methyl bromide, stratospheric ozone

研究概要

熱帯林は自然起源のオゾン破壊物質である塩化メチルや臭化メチルの発生源であるが、そこに生息する微生物はそれらの吸収源として作用していると考えられている。しかしながら、従来行われてきた塩化メチルの濃度測定のみから、植物による放出と微生物等による吸収を区別することは困難であった。本研究では、これらを区別するための安定同位体トレーサー法を導入することで、熱帯植物の葉からの放出に加え、葉上や土壌中に生息する微生物による塩化メチルおよび臭化メチルの吸収量を推定することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

1)土壌や葉をバイアル瓶などにサンプリングすることによる擾乱を避け、現場で植物の葉群や土壌からの塩化メチルおよび臭化メチルの放出・吸収量を測定するためのチャンバーを開発する。2)微生物等による塩化メチルおよび臭化メチルの吸収量を反映するトレーサーである炭素安定同位体(13CH3Clおよび13CH3Br)を用いた現場観測を熱帯林および亜熱帯林にて実施し、『植物による放出量』と葉圏・土壌圏に生息する『微生物等による吸収量』を明らかにする。

今年度の研究概要

前年度に開発した通気式チャンバーと自動サンプラーを用いて、沖縄県西表島の亜熱帯林における塩化メチル及び臭化メチルの放出量・吸収量の観測を行う。西表島では、マングローブが生息する海岸付近から木性シダが繁殖する島内中央部の亜熱帯林にかけて広く植物・土壌の観測を行う。このような観測から、塩化メチル等を吸収する微生物がどのような気象条件、場所、植物の種類および部位に生息するのかを明らかにする。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

斉藤 拓也

  • 地球システム領域
    物質循環観測研究室
  • 上級主幹研究員
  • 博士(地球環境科学)
  • 化学
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