- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0911CD011
- 開始/終了年度
- 2009~2011年
- キーワード(日本語)
- バイオディーゼル燃料,超高速エステル交換反応,液化ジメチルエーテル,抽出,相平衡,イオン交換樹脂,連続合成,固定化酵素,共溶媒
- キーワード(英語)
- Biodiesel fuel, Superfast transesterification, Liquefied dimethyl ether, Solvent extraction, Phase equilibrium, Ion exhange resin, Continuous-flow synthesis, Immobilized enzyme, Co-solvent
研究概要
液化ジメチルエーテル(DME)の添加により反応系を均一相にしてバイオディーゼル燃料(BDF)を超高速に合成する合成技術と、副生成するグリセリンからメタノールを回収するための液化DMEを用いた抽出技術を統合して、従来にない高効率なBDF製造技術、つまり、小型の装置にて高速かつ効率よく連続的にBDFを製造する技術を開発することを研究の目的とする。さらに、本提案の製造技術を核とした燃料化リサイクル技術システムを提示し、技術および技術システムの評価を行う。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
まず、均相アルカリ触媒法をベースとした超高速BDF合成に関して相分散性等を明らかにして、最適な連続運転条件を見出し、その性能評価を行う。触媒については、イオン交換樹脂などの固体触媒の適用も試みる。次に、液化DMEによる副生グリセリン相からのメタノール抽出に関する相平衡を測定する。また、その知見を基に、抽出操作の設計を行い、抽出操作を最適化する。さらに、プロセスシミュレータを用いて、本法の技術に関するマスフローやエネルギーフローを解析するとともに、本技術を中心とした燃料化リサイクル技術システムを描き、他の燃料化およびリサイクル技術との比較により、エネルギー収支比等の観点から本技術と技術システムの評価を行う。
今年度の研究概要
連続的に運転可能なリアクターを試作し,BDF超高速合成を連続的に運転し,温度や滞留時間などをパラメータとして,相分離性を含めて最適な連続操作条件を提示する.前年度に観察された酵素触媒の失活の原因を明らかにしつつ,その対応策を検討する.また,反応の高速化が可能な共溶媒を用いて,酵素触媒を充填した流通型のリアクターを作成し,その反応特性を明らかにする.前年度に測定した液化DME+メタノール+グリセリン3成分系気液液平衡(VLLE)に対して,液相を分析してその平衡組成を決定するとともに,回収対象であるメタノールの分配比を明らかにする.また,状態方程式等によりVLLEを再現できるモデル式を検討する.実験結果を踏まえてBDF合成に関してプロセス計算を行いつつ,他のリサイクル技術の技術データを収集する.
備考
辻智也教授(日本大学生産工学部)
前田光治准教授(兵庫県立大学大学院工学研究科)