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環境化学物質による発達期の神経系ならびに免疫系への影響におけるメカニズム解明に関する研究(平成 22年度)
Studies on the effects of environmental chemicals on nervous and immunological systems during developmental period

予算区分
BD 環境-環境技術
研究課題コード
1013BD001
開始/終了年度
2010~2013年
キーワード(日本語)
環境化学物質,アレルギー,免疫系,影響評価
キーワード(英語)
environmental chemicals, allergy, immunological system, evaluation

研究概要

環境中の化学物質が小児の発育に及ぼす影響を明らかにするために大規模疫学調査(エコチル調査)が開始されるのにともない、疫学研究と連携しそれを補完するための実験毒性学研究の重要性は増している。そこで、エコチル調査と連携・補完し、環境中の化学物質が子どもの発達段階における神経系と免疫系への影響を検討し、そのメカニズムを実験的に解明する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

1.環境化学物質によるアレルギー性喘息増悪メカニズムの解明に関する研究
ダニもしくは卵白アルブミンをマウスに経気道投与するアレルギー性喘息モデルを用い、環境化学物質を曝露し、病変局所である肺等を対象に病理組織学的手法等により増悪影響を評価し、分子生物学的手法等を用いて増悪メカニズム解明を図る。
2.環境化学物質によるアトピー性皮膚炎増悪メカニズムの解明に関する研究
ダニアレルゲンをマウス耳介皮内に投与するアトピー性皮膚炎モデル等を用い、環境化学物質を曝露し、病変局所である耳介等を対象に病理組織学的手法等により増悪影響を評価し、分子生物学的手法等を用いて増悪メカニズム解明を図る。
3.環境化学物質によるアレルギー性鼻炎増悪メカニズムの解明に関する研究
ダニもしくはスギ花粉をマウスに点鼻投与するアレルギー性鼻炎モデルを用い、環境化学物質を曝露し、病変局所である鼻等を対象に病理組織学的手法等により増悪影響を評価し、分子生物学的手法等を用いて増悪メカニズム解明を図る。
4.環境化学物質のアレルギー性疾患増悪影響に対するスクリーニング手法の開発
アトピー素因を有するマウスより採取した脾細胞や骨髄由来抗原提示細胞に、in vitroで、アレルゲンの存在下または非存在下に環境化学物質を曝露し、免疫担当細胞の活性化マーカーの発現やシグナル伝達経路等を分子生物学的手法等で解析することにより、増悪メカニズムを明らかにする。また、in vivoにおけるアレルギー増悪影響と良い相関を示す適切なバイオマーカーをin vitroで探索する。これにより、増悪影響を簡易・迅速・高感度にスクリーニングできる評価系を確立する。

今年度の研究概要

1.マウスアレルギー性喘息モデルに、大気汚染物質に含まれる環境化学物質(ベンゾピレン等)を経気道曝露し、肺等を対象に病理組織学的手法等により増悪影響を評価し、分子生物学的手法等を用いて増悪メカニズム解明を図る。
2.マウスアトピー性皮膚炎モデルに、環境化学物質(フタル酸エステル類等)を曝露し、病変局所である耳介等を対象に病理組織学的手法等により増悪影響を評価し、分子生物学的手法等を用いて増悪メカニズム解明を図る。
3.マウスアレルギー性鼻炎モデルに大気汚染物質中の化学物質(キノン類あるいはベンゾピレン等)を曝露し、鼻等を対象に病理組織学的手法等により増悪影響を評価し、分子生物学的手法等を用いて増悪メカニズム解明を図る。
4.アトピー素因を有するマウスより採取した脾細胞や骨髄由来抗原提示細胞に、in vitroで、アレルゲンの存在下または非存在下にフタル酸エステル類等を曝露し、免疫担当細胞の構成や細胞内分子を分子生物学的手法等で解析することにより、増悪メカニズムを明らかにする。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

高野 裕久

担当者