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生物の空間分布予測モデルにもとづいた自然再生適地の抽出と市民参加による検証(平成 22年度)
Identification of biodiversity hotspots based on habitat suitability model and validation by participatory monitoring

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
0910AH002
開始/終了年度
2009~2010年
キーワード(日本語)
自然再生,市民参加,生物多様性,里山
キーワード(英語)
restoration, participation, biodiversity, Satoyama

研究概要

 生物多様性保全の重要性への認識の高まりとともに、環境省による自然環境保全基礎調査に代表されるように、生物多様性の現状を把握するための生物分布の調査が実施されるようになっている。しかし、多数の調査が実施されている一方で、その仕様が異なることなどの理由からそれらを統合的に活用し生物多様性保全の現場において有用な情報として提供するための方策についてはまだ十分に確立しているとはいえない。
 そこで本研究では、県独自でも生物分布調査を実施している福井県をモデルケースとして、生物および環境にかかわる様々な空間データソースを一括してデータベース化し、実際の生物多様性保全の現場において活用可能な情報に変換して提供するための方策を検討することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本研究では、県独自でも生物分布調査を実施している福井県をモデルケースとして、生物および環境にかかわる様々な空間データソースを一括してデータベース化し、実際の生物多様性保全の現場において活用可能な情報に変換して提供するための方策を検討することを目的とする。具体的には、(1)福井県が所有している生物・環境空間データを中心に統一的な規格によるデータベース化を進め、(2)その結果えられるデータセットを用いて生物の空間分布を予測する統計モデルを構築する。
 福井県では、平成21年度より全県域を対象に自然再生を積極的に推進する施策がスタートしている(誰でもどこでも自然再生ふくい行動プロジェクト)ことから、本研究では、構築した生物空間分布予測モデルをもちいて、(3)新たな生息場所を再生した場合に対象生物の個体群が再生される可能性が高い場所を特定し、自然再生適地の提案を行なう。さらに、(4)試験的に生息場所を再生することで、モデルの予測の精度を検証する。具体的には、地元高校の協力を得て新たに多数の水域を創出し、そこへ移入してくるトンボ類をはじめとした水生動物をモニタリングし、統計モデルの予測結果と比較するというアプローチをとることとする。

今年度の研究概要

・福井県内における生物・環境データの統一規格によるデータベース化を進める。データベース化に際しては、予測検証の対象とする水生動物類から優先して作業を進める。
・データベース化の進んだ分類群から空間分布予測を構築する。
・予測結果を検証するための水域を設置するための準備をすすめ、可能な箇所については実際に水域を設置する。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

角谷 拓

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学
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