- 予算区分
- AH 地環研
- 研究課題コード
- 1012AH003
- 開始/終了年度
- 2010~2012年
- キーワード(日本語)
- 湖沼生態系,持続的管理,生態影響評価
- キーワード(英語)
- Lake ecosystem, Sustanable management, Ecosystem impact assessment
研究概要
生物操作は,1980年代に欧米を中心に応用されるようになり,日本でも,長野県白樺湖で透明度の改善が報告され,諏訪湖においてもアオコ対策の一つとして検討されている。本研究では,すでに人為的な改変が行われている湖沼において適切な管理を行うことにより水質と生態系を望ましい状態に保つための、適切な「湖沼生態系の持続的管理」に関して研究する。生物操作による管理を実際の湖に応用しようとするとき,生態系への配慮に加え,漁業や利水などの利害関係者との調整が必要と予想される。そのため,十分な根拠に基づく湖沼生態系変化を観測データと数理モデルから予測する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
平成22年度
(1)生態系内の種の競争関係の定量化に関する情報収集
水質に影響する生態系の競争関係の整理、関係する生物種の特性の把握、競争関係のモデル化手法の整理、競争関係の定量的解析手法の整理
(2)内部生産の推計手法に関する情報収集
実測による把握手法、気象の把握手法、内部生産の推計手法の検討をおこなう。
(3)生態系と水質の関係に関する情報収集
各種の藻類の濃度と水質の実測例に関する情報収集
各種の藻類の藻体組成に関する情報収集
平成23年度
(1)生態系内の種の競争関係の定量化手法の確立
連立微分方程式による競争関係の定量化、連立微分方程式の数値解法の確立
(2)内部生産の把握手法に関する知見の整理と検証
内部生産の把握手法の確立、実測値による手法の検証をおこなう。
(3)生態系と水質の関係に関する知見の整理
平成24年度
(1)水質・生態系の定量化手法の統合
(2)実測値による手法の検証と評価
今年度の研究概要
地方環境研究所と連携し、数理モデルによる解析に必要な湖沼環境情報を収集する。特に、湖沼生態系内の競争関係、食うものと食われるもの関係に関する生物情報を収集し、整理する。栄養塩内部負荷および内部生産の推計手法を整理し、情報を取得する。各種藻類(植物プランクトン)組成と水質との相互関係に関する既存情報を取得、整理する。
備考
秋田県健康環境センター、佐藤信也(担当者)