- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0812CD004
- 開始/終了年度
- 2008~2012年
- キーワード(日本語)
- 有機エアロゾル,陽子移動反応質量分析法,PTR-TOFMS,植物起源揮発性有機化合物
- キーワード(英語)
- Organic aerosols, Proton transfer reaction mass spectrometry, PTR-TOFMS, Biogenic volatile organic compounds
研究概要
本研究ではイソプレン、テルペンなどの植物起源揮発性有機化合物BVOCを対象として、気相酸化反応とそれに続いて起こる二次有機エアロゾル生成・成長の初期過程に焦点を当て、これらに直接関与している化学種の特定を行うとともに、各素過程の速度を決定し、粒子生成のメカニズムを定量的に明らかにすることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
揮発性有機化合物VOCから大気中の酸化反応を通して二次有機エアロゾルSOAが生成する過程には、様々な化学過程が複雑に関与しているため、その定量的な理解はいまだなされていない。本研究では、物理化学的なアプローチから、大気化学反応の反応速度・反応確率を決定するための実験研究および、質量分析法・分光法などを利用した反応性大気微量成分の濃度測定といったアプローチにより、SOA生成過程の中で特に理解が遅れているVOCの気相多段階酸化反応および半揮発性有機化合物と酸性粒子との不均一反応に焦点を当て、その反応速度、反応確率の決定と、SOA生成に関わる半揮発性・不揮発性有機化合物の特定を行う。そして得られた結果をもとに、SOA生成機構の定量化を試みる。本研究で得られた反応速度などの情報は、様々な大気モデルに組み込むことにで、SOA生成に対するより正確な予測が可能となることが期待される。
今年度の研究概要
昨年度に引き続き、植物起源揮発性有機化合物(BVOC)の酸化反応で生成する二次有機エアロゾルの成分を陽子移動反応−飛行時間型質量分析法(PTR-TOFMS)で検出・同定を行う。実験は30 Lガラス容器内で二次有機エアロゾルを生成させ、フィルター捕集後、ソフト蒸発化法を用いる。また、1m3のテフロンチャンバー中で、BVOCの酸化反応(オゾン反応、OH反応)での第1段階、第2段階・・・の高次生成物をPTR-TOFMSを用いて特定を行う。
備考
研究代表者:廣川淳准教授(北海道大学大学院地球環境科学研究院)
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)「東アジアにおけるエアロゾルの植物・人間系へのインパクト」の計画研究班A01-P02
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
猪俣 敏
- 地球システム領域
地球大気化学研究室 - 主席研究員
- 博士(理学)
- 理学 ,化学