- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0910AE003
- 開始/終了年度
- 2009~2010年
- キーワード(日本語)
- 大気酸素,大気二酸化炭素,酸素二酸化炭素交換比率,化石燃料
- キーワード(英語)
- atmospheric oxygen, atmospheric CO2, O2:CO2 exchange ratio, fossil fuel
研究概要
化石燃料の燃焼過程ではO2が消費されCO2が放出される。燃焼過程における-O2:CO2交換比率は化石燃料の種類によって異なり、例えば石炭では~1.1、石油では~1.4、天然ガスでは~2.0と推定されている。したがって、化石燃料燃焼の影響を受けたエアマスのO2およびCO2濃度の変動比が分かれば、化石燃料の種類別寄与率の推定が可能となる。そこで、波照間・落石モニタリングステーションで観測されるO2およびCO2濃度のシノプティックスケールの変動における-O2:CO2比を解析し、エアマス起源毎に化石燃料の種類別寄与率を推定することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
本研究の解析には波照間・落石地上モニタリングステーションで連続測定されている大気中O2およびCO2濃度を用いる。観測された濃度の時系列データには、日本、中国、韓国等の東アジア各国からの汚染エアマスの輸送に伴うシノプティックスケールの変動がしばしば観測される。そこで、時系列データからシノプティックイベントを抽出し、それぞれのイベントにおける-O2:CO2変動比を計算する。また、後方流跡線解析を用いて各イベントに対応するエアマスの輸送経路を特定する。(H21)。さらに、化石燃料の種類別発生源分布を作成し、大気輸送モデルを用いて波照間・落石における大気中O2およびCO2濃度を計算し、モデルにおける-O2:CO2変動比と観測結果の比較から、化石燃料発生源分布の妥当性を検証する。(H22)
今年度の研究概要
東アジア地域(中国、韓国、日本)における化石燃料起源のCO2およびO2のフラックス分布を燃料の種類別(石炭・石油・天然ガス)に作成する。これらのフラックスと生物起源のCO2およびO2のフラックス分布から、ラグランジアン型大気輸送モデルを用いて波照間における大気中O2およびCO2濃度の変動を計算する。モデルにおける-O2:CO2変動比と観測結果の比較から、-O2:CO2比による化石燃料の種類別寄与率推定法についての妥当性を検証する。
- 関連する研究課題
課題代表者
遠嶋 康徳
- 地球システム領域
- シニア研究員
- 理学博士
- 化学