- 予算区分
- BA 環境-地球推進 S-5-4
- 研究課題コード
- 0712BA337
- 開始/終了年度
- 2007~2012年
- キーワード(日本語)
- シナリオ,ダウンスケール,排出,土地利用
- キーワード(英語)
- SCENARIOS, DOWNSCALE, EMISSION, LAND USE
研究概要
気候変動予測シナリオは、国際的な温暖化対策を検討する上での科学的基盤である。次世代の気候変動シナリオの構築に関する研究をわが国が先駆的に進めることにより、温暖化問題の解決に向けた今後の国際交渉をリードしてゆくことが可能となる。次世代の気候変動シナリオの構築に際しては、これまで十分には取り扱われてこなかった自然システムと社会システムを統合して解析するアプローチが必要と考えられる。これまでの気候変動シナリオ研究では、世界を十数地域に分割したグローバルな社会経済シナリオを用いた将来予測が実施されてきたが、本研究では、次世代の気候変動シナリオの構築にむけて、空間詳細な排出・土地利用シナリオの開発を実施する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:政策研究
全体計画
これまでの気候変動シナリオ研究では、世界を十数地域に分割したグローバルな社会経済シナリオを用いた将来予測が実施されてきたが、本研究では、次世代の気候変動シナリオの構築にむけて、空間詳細な排出・土地利用シナリオの開発を実施する。このために下記の4つのサブテーマについて研究を実施する。 (1)空間的な社会経済発展パターンをモデル化してグローバルシナリオを空間詳細化(ダウンスケール)する手法と、農林地間の転換をモデル化して空間詳細な土地利用変化シナリオを開発する。(2)空間詳細シナリオを用いて、気候モデルに入力するGHG・エアロゾル等の排出シナリオを開発する。(3)空間詳細シナリオの妥当性について国内外のテストサイトにおいて検証する。(4)空間詳細シナリオを実際に気候モデルに入力して、気候変動シナリオとの整合性について検討する。
今年度の研究概要
サブテーマごとの今年度の研究概要は下記の通りを予定している。(1)前年度に開発した土地利用シナリオの高度化、長期化を行う。また気候モデルとハードリンクを行うモデルの開発を行い、土地利用変化に与える温暖化影響の評価を行い、従来のシナリオとの差異を検討する。(2)前年度までに構築した過去から将来まで整合的な空間詳細排出量データベース に対して、特定の主要国における詳細情報を取り込むなどの精緻化を試みるとともに、活動量や排出係数などの不確実性に起因する空間詳細排出量データの不確実性評価を実施する。(3)国際研究ネットワークを通じて、アジアのメガシティーにおけるインプット・アウトプットデータのダウンスケール手法を開発する。また、都市形態および社会経済指標と都市域における排出量の関係を検証する。(4)空間詳細シナリオの整合性評価のため、陸域生態系モデルを用いた温暖化および、CO2施肥効果などを含めた土地利用および土地利用変化による生産性の評価を行い、社会経済モデルによる予測との相互比較を行う。
備考
「S-5:地球温暖化に係る政策支援と普及啓発のための気候変動シナリオに関する総合的研究」の一部
課題代表者
山形 与志樹
担当者
-
野沢 徹
-
木下 嗣基
-
牧戸 泰代
-
中道 久美子