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国際貿易戦略と調和した「持続可能な消費」に向けた消費と技術の転換ビジョンの構築(平成 21年度)
The visions for Japanese consumption and technology shifts considering their strategic export and import patterns

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0709CD304
開始/終了年度
2007~2009年
キーワード(日本語)
消費,産業連関モデル
キーワード(英語)
CONSUMPTION, INPUT-OUTPUT MODEL

研究概要

国際貿易パターンの違いと消費の転換ビジョンとの関係に問題意識を持ち,ライフサイクル思考による研究手法を援用して,消費の転換ビジョンの構築に取り組む。とりわけ輸出入パターン,消費形態,環境と経済との関係に着目した消費構造の評価モデルの開発を行う。また,消費構造の変化の将来シナリオを立て,消費変化と輸出入パターンとの組み合わせを考え,モデルを通じて環境負荷,経済,社会の安定性に関する特性を明らかにし,国際貿易戦略と調和したわが国の消費の転換ビジョンを提示することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

(1)モデル設計と分析手法の開発,(2)近年の消費形態と貿易パターンに関する実証分析と考察,(3)将来シナリオ別の消費の転換ビジョン作成の順に研究を進める。(1)では,商品やサービスへの需要として表現される消費形態と,考慮する貿易パターン,環境や経済等の他の主体との連関をネットワークとして表現する基本構造を持つモデルを開発する。消費と環境負荷の発生との連関は,ライフサイクル思考に基づく環境分析手法の枠組みを援用し設計を行う。(2)では,産業連関表,貿易統計データ,海外の資料等を用いて基本データを整備し,モデルを用いて近年の消費と貿易パターンに関する実証分析とその考察を行う。まずは各年の消費と貿易パターン,環境等の考慮した各主体がどのようなネットワークを形成していたのかを分析し,消費形態と輸出入パターンの変化が及ぼした環境と経済への影響を定量的に明らかにする。(3)では,消費変化のシナリオをたて,輸出入パターンのシナリオとの組み合わせ毎に,実証分析の知見に基づきモデルを用いた,環境負荷,経済,社会の安定性について特徴付けを行う。加えて,組み合わせ毎に,環境,経済等を更に改善するために,生産技術面および消費形態面での変更要件を提示する。

今年度の研究概要

平成21年度前半はモデル設計の精緻化を検討し,特に金属資源や鉱物資源を扱う場合について,CO2排出量やエネルギー消費量を対象とする分析との違いについて明確にする。また,モデルを最適化などの計画問題への適用に発展させるための方法論を整理し,具体的な事例について定式化を行う。平成21年度後半は,将来の人口変化や世帯構成などの変化を考慮した消費データを併用し,近未来における消費の変化がわが国の形成する国際サプライチェーンによるネットワークにどのような変化を与え得るかを同定する。加えて,計画問題への発展を組み合わせて,環境や資源消費の観点から望ましいわが国の貿易構造を検証する。

課題代表者

南齋 規介

  • 資源循環領域
    国際資源持続性研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(エネルギー科学)
  • システム工学,化学工学
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