- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0909AF001
- 開始/終了年度
- 2009~2009年
- キーワード(日本語)
- オゾンゾンデ,マッチ観測,極成層圏雲
- キーワード(英語)
- ozonesonde, match observation, polar stratospheric clouds
研究概要
極域オゾン破壊に関しては、PSCの生成と塩素の活性化、及びその後春季の光解離が原因と言われているが、さまざまなPSCによる塩素の活性化の度合いに関しては殆ど知見が得られておらず、オゾン将来予測モデルにとっての大きな誤差要因となっている。そこで本研究では、PSC観測と同期してSalekhardにおいてオゾンゾンデによるマッチ観測を行うことにより、北極域におけるオゾン破壊量の定量化を行うことを目指す。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
ノルウェー・Ny-Ålesund(79˚N)において、FTIR観測及びエアロゾルゾンデ観測によって、PSCの特性評価が別予算(科学研究費補助金)によってH20年度から3年計画で実施されている。本研究を予定しているH21年度はその2年度目にあたり、最も大規模な観測を予定している。また、ドイツAlfred Wegener研究所により、例年オゾンゾンデマッチ観測キャンペーンが実施されている。本研究では同マッチ観測キャンペーンに参加する形で、ロシア・西シベリア・Salekhard (66.7˚N, 66.7˚E)におけるオゾンゾンデ観測を実施する。具体的には、Ny-ÅlesundにてPSCが観測された空気塊に対し、Ny-Ålesundにおけるオゾンゾンデ観測を依頼し、その空気塊がSalekhard上空に到達すると想定される場合にSalekhardにおけるオゾンゾンデ観測を実施する。Ny-ÅlesundとSalekhardにおけるオゾン観測量を比較することにより、あるタイプのPSCに起因するオゾン破壊量の定量化を行う。
今年度の研究概要
春季北極域を対象として、オゾンゾンデマッチ観測による同期観測によりオゾン破壊量の定量化を行う。Salekhardは極渦内に位置しNy-Ålesundの風下側にあたり、数多くのマッチペアーが見込まれる。その結果をPSC観測結果と比較することにより、PSCのタイプによるオゾン破壊量の違いを見積もる。
備考
本研究は、ロシア中央気象観測所(Central Aerological Observatory)との共同研究として実施する。ロシア側の担当者は,Dr. V. Drokhovである。
- 関連する研究課題
- 0 : 領域プロジェクト
課題代表者
中島 英彰
- 地球システム領域
気候モデリング・解析研究室 - シニア研究員
- 博士(理学) (1993.3 東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)
- 地学,理学 ,物理学
担当者
-
佐伯 浩介
-
大矢 麻奈未