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エアロゾルによる生体影響の評価(平成 21年度)
evaluation of biological aeffects of aerosol

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0812CD006
開始/終了年度
2008~2012年
キーワード(日本語)
微小粒子・エアロゾル,生体影響,免疫系,呼吸器系
キーワード(英語)
particulate matter, biological effects, immunological systems, respiratory system

研究概要

各地域で採取した発生源や移動、形状、粒径、成分、等が異なる微小粒子・エアロゾル、または、それらに含まれる含有成分を複数の細胞培養系に曝露することにより、微小粒子・エアロゾルの健康影響を、免疫応答と気道上皮への影響に注目し、実験的に評価する。地域、形状、粒径、成分、等の相違による健康影響の相違を考察するとともに、発生源、移動、形状、粒径、成分、等に関する解析結果と健康影響の相関性を検討し、健康影響を規定する要因の絞り込みに資する。加えて、増悪メカニズムを分子レベルで解析し、その結果をバイオマーカーの同定や予防対策の確立に役立てる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

大気中に存在する微小粒子等のエアロゾルによる健康影響が危惧されている。また、近年、我が国では、東アジアを中心とする広域大気汚染・越境大気汚染や黄砂の問題がクローズアップされ、国内の固定・移動発生源を起源とする微小粒子・エアロゾルのみならす、広域・越境汚染に基づく微小粒子・エアロゾルによる健康影響を明らかにする必要性が増している。一方、微小粒子等のエアロゾルの健康影響は、疫学的にも実験的にも、アレルギー疾患や呼吸器疾患を有する集団に発現しやすい。そのため、高感受性と考えられるアレルギー疾患の内在メカニズムにおいて重要な役割を演ずる免疫・アレルギー応答や呼吸器とエアロゾルの第一の物理化学的接点である気道上皮にそれらが及ぼす健康影響を、まず明らかにする必要がある。本研究では、各地域で採取した発生源や移動、形状、粒径、成分、等が異なる微小粒子・エアロゾル、または、それらに含まれる含有成分を複数の細胞培養系に曝露することにより、微小粒子・エアロゾルの健康影響を、免疫応答と気道上皮への影響に注目し、実験的に評価する。地域、形状、粒径、成分、等の相違による健康影響の相違を考察するとともに、発生源、移動、形状、粒径、成分、等に関する解析結果と健康影響の相関性を検討し、健康影響を規定する要因の絞り込みに資する。加えて、増悪メカニズムを分子レベルで解析し、その結果をバイオマーカーの同定や予防対策の確立に役立てる。

今年度の研究概要

1. 微小粒子・エアロゾルによる免疫応答への影響評価
 微小粒子・エアロゾルがアレルギー疾患の内在メカニズムにおいて重要な免疫応答に及ぼす影響を、複数の細胞培養系に各地域で採取した微小粒子・エアロゾル、または、その成分を曝露することにより検討する。
1-1-1. 微小粒子・エアロゾルによる複合免疫応答への影響評価
 脾細胞は抗原提示細胞、リンパ球(T細胞、B細胞)、細網内皮系細胞等の複数の種類の免疫担当細胞からなり、複数細胞による免疫応答を再現することが容易である。マウス(「アレルギー素因」を持つNcNgaマウス等)の脾細胞に微小粒子・エアロゾル、もしくは、その含有成分を曝露し、細胞の構成比率の変化や活性化(表面マーカー発現、液性因子産生、細胞増殖、等)を検討し、微小粒子・エアロゾルやその成分・性状の影響を明らかにしメカニズムを解析する。                                   1-1-2. 微小粒子・エアロゾルによる抗原提示細胞への影響評価
 抗原提示細胞は免疫応答の開始点であり、アレルギー反応のinitiatorとして重要な役割を演じている。マウス(「アレルギー素因」を持つNcNgaマウス等)の骨髄より抗原提示細胞を分離、分化誘導、培養し、各地域より採取した微小粒子・エアロゾルやその成分に曝露する。抗原提示細胞の分化誘導や活性化(表面マーカー発現、抗原提示、液性因子産生、等)を検討し、それらの影響と増悪メカニズムを明らかにする。また、成分と健康影響の相関を解析し、健康影響を規定する要因の絞り込みとバイオマーカーの探索や予防対策の確立に資する。
2. 微小粒子・エアロゾルによる気道上皮への生体影響評価
 ヒト由来の株化気道上皮細胞を使用する予定とする。上皮細胞の傷害(アポトーシス等の細胞死、細胞障害の誘導、等)や活性化(液性因子産生、表面マーカー発現、等)を微小粒子・エアロゾルやその成分の存在下、非存在下に比較検討し、それらの影響と増悪メカニズムを明らかにする。また、成分と影響の相関を解析し、健康影響を規定する要因の絞り込みとバイオマーカーの探索に資する。

備考

領域代表者は東京農工大学畠山教授

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

高野 裕久

担当者