- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0708AF568
- 開始/終了年度
- 2007~2008年
- キーワード(日本語)
- 溶存態有機物,光分解,三次元励起蛍光マトリックス
- キーワード(英語)
- Dissolved organic matter, Photoalteration, Three dimentional excitation emission matrix
研究概要
実際の水環境中において、DOMは生物分解だけでなく光分解の影響も受ける。
生物分解特性については、これまで霞ヶ浦湖水や流入河川水、流域発生源水や雨天時流出水などを対象に詳細な解析が行われてきた。しかし光分解特性については体系的な研究例がない。そこで実験室内において光分解実験装置を組み立て、DOM試料に照射し、照射前後におけるDOM特性の変化を調べることで、DOM特性に対して光分解が与える影響を明らかにする。さらに光分解後のDOMにおける生物分解特性について定量的に示す。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
1)光分解実験における実験条件の検討
メタルハライドランプと紫外線カットフィルターより成る光分解実験装置を組み立てる。照射時間を数時間〜数日に設定し、時系列的に採水後、DOCなど基礎項目を測定して、DOMの分解を完了させるために十分な照射時間を決定する。
2)DOMに影響を与える生物分解と光分解の相互関係
DOMの生物分解実験結果と光分解実験の結果について比較を行う。具体的には、暗所下においた湖水のDOM試料と光分解後のDOM試料に対して植種を行い、光分解の影響によりDOMの生物分解が促進されるのかどうかについて比較検討する。
3)光分解によるDOMの変質評価
霞ヶ浦湖水の起源となっている河川水、底泥溶出水など様々なDOM試料に対し2)と同様の光分解実験、生物分解実験を行い、DOMの全体量、分子量分布、蛍光特性、フミン/非フミンの割合等について測定する。以上を通じて、光分解によりDOMがどのように変質したのか?変質したことによりどのように生物分解特性に影響を与えたのか?を明らかにする。
今年度の研究概要
前年度において、実験装置の組み立て及び実験条件の設定を行うことができた。今年度は、様々なタイプのDOM試料に対して光分解実験を施し、DOM特性に対して、生物分解と光分解特性の相互的な影響について評価する。具体的にはDOMの全体量、分子量分布、蛍光特性、糖組成、アミノ酸組成の変化について知見を得る。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動