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東アジアにおけるハロゲン系温室効果気体の排出に関する観測研究(平成 20年度)
An observational study for the halogenated greenhouse gas inventory in East Asia

予算区分
BB 環境-地球一括
研究課題コード
0508BB770
開始/終了年度
2005~2008年
キーワード(日本語)
ハロカーボン,代替フロン,モニタリング,インベントリー,HFC,PFC,SF6
キーワード(英語)
HALOCARBON, ALTERNATIVE FLUOROCARBON, MONITORING, INVENTORY, HFC, PFC, SF6

研究概要

京都議定書で規制対象とされた6ガス成分のうち、PFC、HFC、SF6の観測研究は、他の3成分(二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素)に比べて立ち遅れている。特に、東アジア域はハロカーボン類の主要な発生地域であり、中国などの工業発展によって排出量の急増が予想されているにもかかわらず、定常的な観測体制の空白域となっている。本研究では、波照間島(沖縄県)および落石岬(北海道)においてハロカーボン類の高頻度連続観測を実施して、東アジアにおけるハロゲン系温室効果気体の経年変化を的確に把握すると共に、詳細な濃度変動データと輸送モデルの結合によって地域別排出量を評価することを目標とする。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

東アジアにおける人為排出ガスの観測に適した波照間島(沖縄)においてPFC、HFC、SF6、CFC、HCFCの高頻度連続モニタリングを実施する。落石(北海道)においても同様のモニタリングを立ち上げ、中国北部の影響について波照間のデータを補完する。 東アジアの地域別排出源を推定するために、高分解能輸送モデルを応用して観測結果の解析を行う。各成分の排出マップに初期値を与えて、波照間・落石で観測される濃度変動を計算し、最適結果が得られるまで繰り返し計算を行う。今後の温暖化への寄与が大きいと考えられているHFC-134aとHCFC-22を最初に取り上げ、順次PFC、HFC、SF6、CFC、HCFC類の地域別排出量を算出する。

今年度の研究概要

波照間島と落石岬におけるハロゲン系温室効果気体の高頻度連続観測を継続する。アジア域を代表するハロカーボンモニタリング研究として長期観測体制への移行を検討する。過去4年間のデータ(落石については2年間)を基に東アジア域におけるHFC類等ハロゲン化合物のベースライン濃度トレンドと排出量変動の特徴を明らかにする。
波照間におけるHCFC-22およびHFC-134aの濃度変動について、領域気象モデル(RAMS)を用いたタグ付きシミュレーションの結果と、毎時間測定値を用いて、ベイズ最小二乗法により、2005年〜2007年にかけてのHCFC-22およびHFC-134aの東アジア域における排出量を見積もる。手法由来の誤差について考察し、得られた結果を既存インベントリーや他の手法による報告値と比較する。また、H18年度より観測が開始された落石ステーションでの観測値からもHCFC-22およびHFC-134aの排出量情報を抽出する。

課題代表者

横内 陽子

担当者