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縮合型リン系難燃剤の使用過程における分解に関する検討(平成 20年度)
Degradation of condensed phosphorous flame retardant under usage condition

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0808AF007
開始/終了年度
2008~2008年
キーワード(日本語)
縮合型リン系難燃剤,光分解,加水分解
キーワード(英語)
Condensed phosphorous flame retardant, photolysis, hydrolysis

研究概要

リン酸トリエステル類を初めとするリン系樹脂添加剤に関しては、可塑剤を中心として過去の研究事例が豊富である。他方でリン系難燃剤は、揮発性を低減するために縮合化を行ったものがある。
 この種の難燃剤は揮発性が低く気散放出を制御できる一方で、その使用過程において加水分解に代表される化学反応に伴う低分子量化が発生し、その挙動が大きく変化する可能性が高いと予測される。そこで本研究では、縮合型難燃剤の分解性について母材と添加法や使用条件の観点から検討することを目的とした。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

リン酸トリエステル類等の低分子量リン酸添加剤に関しては、揮発性や分解性に関する知見は豊富であることから、本研究では高分子量の縮合型リン系難燃剤を検討対象とする。
1)縮合型難燃剤の単独分解性の検討
 縮合型難燃剤製品を単独で試験に供し、その分解性と影響因子を明らかとする。具体的には石英板に難燃剤製品を塗布し、光の有無・水分の有無、温度を変動させ、難燃剤の分解の有無を検討する。
2)素材中における添加難燃剤の分解性の検討
 本検討は1)の結果に基づいて、難燃剤の分解に影響することが確認された因子について実施する。具体的には、樹脂および繊維素材に難燃剤を添加した試料を複数個分解試験に供し、回分式で分解の経時変化を検討する。
 本検討結果から素材中における難燃剤の分解速度と分解の制御因子が明らかとなる。
3)縮合型難燃剤の分解生成物の検討
 1)の検討時に、透過ガスを固相カートリッジで捕集し、塗布した試料とあわせてスクリーニング分析を行い、分解生成物の検索を行う。
以上の検討結果から、縮合型リン系難燃剤の分解性とその影響因子を明らかとする。また分解過程において放出される可能性のある物質を検索することで、今後のリン系難燃剤の安全性評価の指針に関する基礎情報とする。

今年度の研究概要

本課題は単年度の研究課題であり、本年度中に上記1)〜3)の項目に関する検討を順次実施する。

課題代表者

小瀬 知洋