- 予算区分
- AI 研究調整費 理事長枠
- 研究課題コード
- 0808AI001
- 開始/終了年度
- 2008~2008年
- キーワード(日本語)
- 極成層圏雲,フーリエ変換赤外分光器,南極,昭和基地
- キーワード(英語)
- PSC, FTIR, Antarctica, Syowa Station
研究概要
南極オゾンホールは、モントリオール議定書にはじまる特定フロン廃止の中でも、その規模が回復に向かったと言う確たる証拠は示されていない。また、さまざまなオゾン将来予測モデルによるオゾン層回復の時期にも、40〜60年ほどの誤差が見受けられる。その原因の一つは、極成層圏雲(PSC)の特性がまだ良く判っていない事による。本研究では、南極昭和基地でFTIRによって得られたPSCからの放射・散乱スペクトルデータを詳細に解析し、PSCのタイプ識別及びその粒径や組成を導出しようとするものである。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
2007年4月から2008年1月にかけて南極昭和基地でフーリエ変換赤外分光器(FTIR)によって、世界ではじめて極成層圏雲(PSC)からの放射・散乱スペクトルデータが得られた。また、同時期にオゾンゾンデや高分解能FTIRによって、オゾンを始めとする微量気体成分データやオゾン鉛直分布も得られている。本研究では、PSCのスペクトルデータを詳細に解析し、PSCのタイプ識別及びその粒径や組成を導出し、PSCがオゾン破壊に与える影響を定量化することを目的とする。そのため、ミー散乱放射伝達コードを開発し、FTIRスペクトルへのフィッティング手法の高度化を図る。
今年度の研究概要
まず手始めに、PSC同定用ミー散乱放射伝達コードの開発を行う。その過程で、実際に昭和基地でFTIRによって得られたスペクトルのフィッティングテストを行う。次に、開発されたPSC同定用ミー散乱放射伝達コードによって、昭和基地で得られたさまざまなPSCによる放射・散乱スペクトルをフィッティングし、PSCのタイプ、粒径、組成等の情報を抽出する。
- 関連する研究課題
- 0 : 領域プロジェクト
課題代表者
中島 英彰
- 地球システム領域
気候モデリング・解析研究室 - シニア研究員
- 博士(理学) (1993.3 東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)
- 地学,理学 ,物理学