- 予算区分
- BA 環境-地球推進
- 研究課題コード
- 0507BA825
- 開始/終了年度
- 2005~2007年
- キーワード(日本語)
- エアロゾル,東アジア,越境大気汚染,航空機観測,ABC,長距離越境大気汚染
- キーワード(英語)
- AEROSOL, EAST ASIA, TRANS-BOUNDARY AIR POLLUTION, AIRCRAFT OBSERVATION, ABC, LONG-RANGE TRANS-BOUNDARY AIR POLLUTION
研究概要
東〜東南〜南アジア地域にかかる高密度の粒子の層(ABC: Atmospheric Brown Clouds-Asia)は主に硫酸・硝酸塩や有機物、黒色炭素からなり、気候や水循環、農業や人間の健康にも多大な影響がある。一方、90年代以降減少を続けていた中国の二酸化硫黄の排出量は、最近再び増加に転じた。今後数年の間、一次汚染物質の放出量の変動と、二次汚染物質への影響を精確に把握する必要がある。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
(1) 辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーションを活用し、エアロゾル化学成分の連続観測、ライダー観測を行い、H18年度には中国で航空機観測を行う。また東アジア地域の汚染物質収支簿を精緻化し、大気汚染物質の収受を明らかにする。(2) 沖縄辺戸岬においてバイオマスエアロゾルのトレーサー(CO、VOC)の連続観測を行う。大気汚染物質発生源での組成や輸送過程での変化について解析する。(3) 北京及び周辺域で、エアロゾルの化学組成、前駆物質の同時観測を行う。発生源付近及び日本を中心とした下流域での大気質影響評価やその将来予測に資する。(4) エアロゾル輸送・生成・除去の全球モデルを用いて南アジア−東南アジア−東アジア等アジア域に焦点をあてたシミュレーションの実行を行う。(5) 北東アジア地域への大気汚染輸送解明のため、極東ロシアで大気環境観測を行う。また、東アジア地域における酸性雨・越境大気汚染の国際的な合意形成に資するため、既存の長距離輸送モデル間の比較を行う。
今年度の研究概要
・H19年春季に中国渤海湾、福江島、沖縄辺戸岬における地上観測を行う。
・H18年19年に取得した春季のデータを解析し中国における大気汚染物質の排出インベントリの検証、大規模発生源近傍におけるエアロゾルの高度分布の解明、東アジアから沖縄周辺に到達する気塊に含まれる大気汚染物質やエアロゾルの空間分布と輸送過程における変質などを検討する。
・エアロゾル輸送・生成・除去の全球モデルを用いて南アジア−東南アジア−東アジア等アジア域に焦点をあてたシミュレーションを行う。
・北東アジア地域への大気汚染輸送解明のため、極東ロシアで大気環境観測を行う。
備考
再委託先:東京農工大、東京大学, 豊橋技術科学大学, 首都大学東京, 財団法人日本環境衛生センター 酸性雨研究センター
本課題(C-051)全体の代表者は畠山史郎であるが、畠山はH19年4月に東京農工大へ転出したため、環境研内は高見が代表となる。
- 関連する研究課題
課題代表者
高見 昭憲
- 地域環境保全領域
- 領域長
- 博士(D.Phil)
- 化学,化学工学
担当者
-
杉本 伸夫
-
大原 利眞