- 予算区分
- AH 地環研
- 研究課題コード
- 0507AH778
- 開始/終了年度
- 2005~2007年
- キーワード(日本語)
- 河川ネットワーク,自然再生,GISデータベース,解析ツール,WebGIS
- キーワード(英語)
- RIVER NETWORK, HABITAT RESTORATION, GIS DATABASES, ANALYTICAL TOOLS, WEBGIS
研究概要
本研究の目的は第一に流域生態系に関する各種データベースを整備すること,第二にそれらデータベースを活用した様々な解析ツールを開発すること,そして第三にデータベースやその解析ツールを効率よく管理し,必要に応じて公開することで,多くのユーザーグループと情報の共有を可能にするシステムを構築することである.これらの取り組みを通して,流域生態系の研究や自然再生を支援することを目標としている.
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
流域生態系に関する地理情報として、3種類のデータベース(DB)を整備する。1つは河川の本支流すべてのリーチにそのアドレスを付与した河川ネットワークDB、2つめはそのネットワーク上で過去に調査された水生生物の生息状況をまとめた水生生物DB、3つめは河川とその流域を分断するダム等の設置状況をまとめた河川横断工作物DBである。これらDBの作成と同時進行で、流域生態系の解析ツールを開発する。たとえば河川ネットワーク上の任意の地点からその水系の河口までの経路を探索したり,反対に任意の地点に流入するすべての河川流路を検索したりする経路解析ツール、ダム等によってどの流域がいつから海と分断されているかを面的に把握するための流域分断図作成ツール、そしてまた希少水生生物の潜在生息図作成ツールや希少種の保護地域の設定状況を評価するためのギャップ解析ツールなどを予定している。本研究を通して整備されたDBは、基盤情報を提供した研究機関と国立環境研究所双方の協議・合意の上で公開方法を決定し、各種ユーザーに対して適切なアクセス制限を設けることでセキュリティーを確保しつつWebGISを通して公開する。解析ツールも、研究機関や研究者の要望に応じて公開することを原則とする。またWebGISは生物の生息状況などのデータを効率的,また広域的に収集するための手段としても活用する.
今年度の研究概要
河川IDの入力ならびにWebGISによる生物情報の収集に力を注ぐ(研究参画機関の置かれている道と県を優先的に業務を進める)。また作成されたデータベースをGISを用いて解析することで、日本全国スケールでのダムの淡水魚類への影響を定量的に評価する。
備考
高田雅之(北海道環境科学研究センター)・伊藤聡(山形県環境科学研究センター)・北野聡(長野県環境保全研究所)・大塚知泰(神奈川県環境科学センター)・村瀬秀也(岐阜県保健環境研究所)・藤山浩(島根県中山間地域研究センター)
課題代表者
福島 路生
- 生物多様性領域
生態系機能評価研究室 - 主幹研究員
- 水産学博士
- 水産学,農学,生物学