水稲葉枯症の発症要因の究明と軽減対策技術の開発（平成 18年度）
Clarification of Rice Dieback Causes and Development of Mitigation Technology

研究概要

長崎県では、北部高標高地帯の水田において、水稲葉身の葉縁部が枯死する葉枯症が発生し、米の収量・品質の低下をきたすことから、現地の水稲生産農家の間ではこれまでに大きな問題となってきた。気象条件、大気汚染条件、水稲葉条件からの原因究明と葉枯症発生による被害を最小限に抑えるための防止対策技術を確立する。

研究の性格

• 主たるもの：応用科学研究
• 従たるもの：

全体計画

葉枯症の発生原因究明と葉枯症発生による被害を最小限に抑えるための防止対策技術を確立するために、被害現地における気象条件および酸性霧、粒子状物質等の大気環境の把握を行う。現地気象観測データを活用し、コンピュータシミュレーション等により、霧発生を再現する。霧暴露チャンバーを用いて暴露実験を行い、水稲被害原因の特定とそれに及ぼす環境要因の影響を明らかにする。現地気象条件下における水稲葉身内ストレス成分の追跡と葉枯症発生の予察を行い、ストレス診断指標を検討する。また、現地での定着性や品質に優れる葉枯症耐性イネ品種選抜のための基礎情報を得る。

今年度の研究概要

　長崎県の北部高標高地帯の水田における水稲葉枯れ症の原因を明らかにするため、被害現地における酸性霧、エアロゾル等の大気環境の把握を連続的に行い、水稲葉枯れ症直後に現地での可視傷害の調査を行う。さらに、霧暴露チャンバーの試作と稲を用いた霧暴露予備実験を行う。

備考

森淳子（長崎県衛生公害研究所）