- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0607AE009
- 開始/終了年度
- 2006~2007年
- キーワード(日本語)
- 蘚苔類/地衣類,地球温暖化,生理生態,熱画像,モニタリング
- キーワード(英語)
- Bryophyte/Lichen, Global Warming , Eco-physiology, Thermal Image, Monitoring
研究概要
蘚苔類・地衣類は湿潤な東アジアでは着生・林床植生として発達しており、特に日本や中国では昔から重要な庭園植生として利用されてきた。近年、蘚苔地衣植生は大気汚染や温暖化・乾燥化等の地球環境変動の影響を受けている。蘚苔地衣植生が大気汚染に敏感で、大気の評価指標となるという研究報告は有るが、地球温暖化への応答に関する研究は少なく、その機構はまだ不明である。蘚苔地衣植生の保護と東アジアの庭園保全のためにも、地球温暖化に対する蘚苔地衣植生の応答解析とそのモニタリングに関する研究が必要である。そこで、本研究では、制御環境下で温暖化環境のシミュレーション実験を実施し、熱画像情報を利用した庭園蘚苔地衣植生の応答解析とモニタリング手法について検討することを目的とする。本研究により、地球温暖化に対する蘚苔類・地衣類の感受性の種間差を明らかにし、また、熱赤外情報による評価・モニタリング手法を確立し、庭園および自然の蘚苔地衣植生のモニタリングへの応用を提案する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
本研究では制御環境下で温暖化影響のシミュレーション実験を実施する。(1)庭園蘚苔地衣植物を収集、前培養の実施、実験装置の改良等(平成18年度)。(2)複数の植物環境制御装置 (growth chamber)を用いて気温15〜35℃のもとで蘚苔地衣植物の生長状態・蒸散量などを定期的に測定、熱画像装置を用いて試料の熱赤外情報を計測(平成18年度)。(3)計測データを解析し蘚苔地衣植生の生理生態情報を抽出、地球温暖化に対する蘚苔地衣植生の応答を解析し庭園・自然の蘚苔地衣植生のモニタリング手法を提案(平成19年度)。
今年度の研究概要
中国および日本で複数種の庭園蘚苔地衣植物を採集し、実験試料の前培養を行い、生育に適した環境条件等を検討する。また、熱画像等の継続的な計測が可能となるように実験装置の改良等を行う。5台の植物環境制御装置を用いて、試料に適した湿度、光条件のもとで、気温を各々15℃、20℃、25℃、30℃、35℃に設定し、蘚苔地衣植物の生長状態、蒸散量などを定期的に測定する。また、参考水面の蒸発量や気温も定期的に測定する。さらに、熱画像装置を用いて蘚苔地衣植生の熱赤外情報を計測し、データの解析手法を検討する。
備考
共同研究機関:北京師範大学(中国)
- 関連する研究課題
- : アジア自然共生研究グループにおける研究活動
課題代表者
清水 英幸
担当者
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邱 国玉
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伊藤 祥子