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循環廃棄過程を含めた水銀の排出インベントリと排出削減に関する研究(平成 18年度)
Study on mercury emission inventory and reduction of emission including material cycling system

予算区分
BE 環境-廃棄物処理
研究課題コード
0507BE955
開始/終了年度
2005~2007年
キーワード(日本語)
水銀,排出インベントリ,物質フロー,形態分析
キーワード(英語)
MERCURY, EMISSION INVENTORY, SUBSTANCE FLOW, SPECIATION OF MERCURY

研究概要

水銀の世界的削減の動向がある中、アジアからの多くの発生源が注目されるが、日本を含むアジア圏の状況が不明である。日本における主たる排出源とされる石炭燃焼・廃棄物燃焼を含む排出インベントリを作成することを目的とする。またリサイクルの推進により廃棄物・二次資源、また産業系からの回収水銀のアジアへの流入に対する環境影響に関しての挙動の把握と予測を行うため、水銀の物質フローモデル及び環境動態モデルを、アジアを見据えて開発する。開発したモデルを用いて、削減方法に応じた制御シナリオに対応する大気排出量を推定する。また水銀の形態別存在量を実態把握し、連続モニタリング装置による排出量推定値の精度検証を行う。研究全体としては、世界的削減計画に対応できるよう、アジア圏における水銀の排出量、環境動態に関する情報を提供する研究とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

水銀の排出インベントリ作成を目標として、排出係数を推定し、日本からの天然由来と人為的排出量を明確にする。更にアジア圏に適用できる排出係数の推定を行い、国際比較できるものとする。基礎情報として、熱処理を伴う産業系施設、廃棄物処理施設の原材料中の水銀濃度、及び排ガス処理方法の種類と整備状況に関する既存情報を整理し、インベントリの精度を明確にする。形態別水銀濃度について情報整理すると共に、実態調査により異なる排ガス処理設備の水銀除去能に関する情報を集積する。連続モニタリング装置とバッチ採取・分析の比較を行い、測定精度と排出係数推定への精度評価を行う。循環資源・廃棄物中の水銀賦存量について既存情報を整理し、水銀の物質フローモデルを開発する。また水銀の環境動態モデルを開発し、制御シナリオに応じた変化を解析する。

今年度の研究概要

熱処理過程を伴う産業系施設の排出量の調査や各種廃棄物の燃焼実験により、形態別に水銀の排出係数を求める。また連続モニタリングにより排出係数の不確実さの検討を行う。更に排ガス処理設備の水銀除去性能に関する実験及び情報を集積する。水銀の物質フローモデルの精度を向上させると共に水銀回収過程における水銀の排出実態調査を行う。環境動態モデルに必要な情報を集積する。

備考

共同研究期間:京都大学(酒井伸一,高岡昌輝,平井康宏),岐阜大学(守富寛),岡山大学(安田憲二)

課題代表者

貴田 晶子

担当者

  • 安田 憲二