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高分解能スペクトルと偏光特性を利用した大気気体遠隔測定手法の開発(平成 17年度)
Algorithm development for atmospheric gas remote sensing by measuring the high resolution spectrum and polarization

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0506CD504
開始/終了年度
2005~2006年
キーワード(日本語)
温室効果気体, 遠隔測定, 推定理論
キーワード(英語)
greenhouse gases, remote sensing, algorithm

研究概要

温室効果気体など大気気体の量を、衛星から高精度で測定するための新しいアルゴリズムを開発することが本研究の目的である。測定原理としては、太陽の地上反射光の多波長吸収スペクトルから気体量を推定するものである。この測定における最大の誤差要因は、大気中に浮遊しているエアロゾルや、その存在を確認し難いような薄い絹雲による太陽の散乱光であり、本研究の最大の課題はその補正方法を開発することである。1点の観測に於いて得られる温室効果気体量の精度を数パーセント程度とし、数点の観測点の平均値の精度が1パーセント程度になるように目標を設定する。また、分光スペクトルの実測と計算との比較を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

初年度は偏光を含む放射の簡易型モデルを利用して、気体推定シミュレーションプログラムなど各種アルゴリズムの開発を行う。また偏光を考慮した場合としない場合の気体料推定精度を見積もる。これによって本手法の問題点などを検討する。また気体のスペクトルを実際に取得し、理論とどのような違いが生じ、どのような問題が発生するかなどの検討を行う。次年度においては本手法と諸外国で行われている他の手法等との比較検討、また、これをルーチン処理において用いる場合の問題点などを検討する。

今年度の研究概要

衛星によって観測された多チャンネル高分解スペクトルデータから、大気中温室効果気体の量を推定する問題においては、薄い絹雲やエアロゾル層の分布や光学的特性の推定誤差が最大の誤差要因になっている。研究代表者は、観測放射スペクトルをいくつかの基底関数で展開し、雲やエアロゾルの分布や光学的特性を知ることなしに、スペクトル空間における歪み部分を取り除くという手法で、絹雲やエアロゾルの影響を除く手法を開発しつつある。研究はまだ着手されたばかりで、取り扱う吸収帯の個数数も1つだけである。また、未知量もCO2のみであり、それ以外の気体や温度等は既知として扱われている。本開発の方式では、観測スペクトルとシミュレートしたスペクトルのわずかな差によって、解に大きな差を生じることが予想される。従って、本研究計画では、複数波長帯データの取り込み、CO2以外のパラメータ推定ができるようにプログラムを改良する。また、2成分の偏光を測った場合に、精度がどれくらい向上するかについても検討する。さらにこれらを実際に観測された衛星データに適用するためには、シミュレーションに使用した吸収線パラメータや装置関数が正しくなければならない。本研究ではこのため研究分担者が実際に各種条件下で、スペクトルを観測する。

課題代表者

青木 忠生

担当者