- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0505AF951
- 開始/終了年度
- 2005~2005年
- キーワード(日本語)
- 塩化メチル, 成層圏オゾン
- キーワード(英語)
- methyl chloride, stratospheric ozone
研究概要
成層圏のオゾン破壊に関与する種々のハロカーボンの中で、塩化メチルと臭化メチルは生物的なソースを持つ数少ないハロカーボンである。近年のフロン類の排出規制によって、将来の成層圏オゾンの消長に対するこれら生物起源ハロカーボンの重要性は増す。熱帯植物は塩化メチルの主要なソースであり、臭化メチルのソースとしても重要である可能性がある。しかしながら、これまでは放出量測定の困難さから、その放出過程や放出量と外的環境要因との関係についてはほとんど明らかにされてこなかった。そこで本研究では、ガラス製チャンバー内の空気の連続自動分析によって、植物からの放出量を高時間分解能で自動測定するシステムを構築し、これを用いて木生シダやフタバガキ科樹木からのハロカーボン放出量と気温や日射との関係を明らかにすることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
低温濃縮/ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)によるハロカーボン測定装置の自動化をはかる。次にこの装置をバイオトロンのキャビネットと組み合わせ、キャビネット内の熱帯植物からのハロカーボン放出量を連続的に測定し、放出量と日射や気温との関係を調べる。
今年度の研究概要
1)低温濃縮/GC/MSによるハロカーボン自動測定装置の製作まず、PC制御により低温濃縮/GC/MSの自動化を行なう。次に2台のキャビネットの熱帯植物から放出されるハロカーボンをそれぞれ独立に連続的に測定するため、空気試料導入部にタイマーで作動する切替え式バルブやポンプを組み合わせる。最後に標準ガスを用いて、装置全体の性能評価を行なう。2)熱帯植物からのハロカーボンフラックスの測定
構築したハロカーボンフラックスモニタリングシステムを用いて、キャビネット内の熱帯植物からのハロカーボンフラックスを計測する。熱帯植物には塩化メチルを放出することがわかっているフタバガキ科樹木や木生シダを使用する。キャビネット内の気温と湿度を一定にした条件下で数日から一週間程度連続的にフラックスを測定し、フラックスと日射量や気温や湿度を変化させた条件でフラックスの測定を行ない、それら外的環境要因との関係を調べる。
課題代表者
斉藤 拓也
- 地球システム領域
物質循環観測研究室 - 上級主幹研究員
- 博士(地球環境科学)
- 化学
担当者
-
横内 陽子