ナノ粒子の肺胞壁通過機構の解明と細胞毒性評価法の開発（平成 17年度）
Studies on effects and transport of nanoparticles through alveolar wall

研究概要

近年、開発と幅広い産業分野への応用がはじまりつつあるナノ粒子は、サブミクロン粒子とは異なる細胞による認識や細胞内・体内動態を示す可能性がある。本研究は、ナノ材料の吸入曝露毒性影響評価に資するために、１）ナノレベルの粒子とサブミクロン粒子の細胞による認識機構の相違、２）肺胞壁を模した肺胞上皮細胞・血管内皮細胞培養系の開発と、ナノ粒子の肺胞壁通過機構の解明、３）ナノ粒子の細胞毒性と肺・循環機能への影響を明らかにすることを目的とする。

研究の性格

• 主たるもの：基礎科学研究
• 従たるもの：応用科学研究

全体計画

初年度は、肺胞壁を模した肺胞上皮細胞・血管内皮細胞培養系の開発を行い、粒子の透過と細胞毒性について検討する。本年度は、実験動物を用いて、肺胞壁通過と肺・循環機能への影響を明らかにする。

今年度の研究概要

実験動物に金コロイドナノ粒子を経気道・点鼻・経静脈で投与し、投与経路別・粒径別の粒子の体内動態を定量的に測定する。カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、二酸化チタンを実験動物に経気道的に投与し、粒子の透過と細胞毒性について検討する。

備考

当課題は重点研究分野5.1.(12)にも関連