酵母アッセイシステムを用いたS9 代謝化内分泌かく乱物質の検出と化学構造の決定（平成 17年度）
Detection of endocrine disruptors by S9 metabolization using the yeast assay system andidentification of theirs chemical structures

研究概要

内分泌かく乱物質は生体に取り込まれると細胞内のホルモンレセプターに結合して蛋白合成を促進したり、あるいは逆に生体内ホルモンの結合を阻害することにより生体に悪影響を及ぼすことが懸念されている。化学物質の中には生体内の薬物代謝酵素で代謝され(S9代謝化)、ホルモン様作用を発現する物質が産生されることを我々は酵母アッセイのスクリーニングにより確認している。S9代謝化において産生される化学物質は単一ではなく、様々な構造形態が予想される。代謝化物質のうち、活性を示す物質の同定を行い、それらの活性を評価することを目的とする。

研究の性格

• 主たるもの：基礎科学研究
• 従たるもの：技術開発・評価

全体計画

S9代謝化により多くの化学物質は水酸化され,水酸化されることで内分泌かく乱作用を持つ化合物になる化学物質の存在が報告されている。内分泌かく乱作用が疑われている化学物質のうち,入手可能な水酸化体の合成品についてエストロゲン活性や甲状腺ホルモン活性を示す化学物質を酵母アッセイ法により検索するとともに、それら化学物質の実験動物や魚類での存在を分析する手法の検討も試みる。

今年度の研究概要

今年度は、核内受容体の一つとして重要な生理的役割をしているヒトレチノイドX受容体（RXR）を組み込んだ酵母用いて水酸化PCBの91物質のRXR活性を測定し、活性と水酸基の位置との関係を調べる。