- 予算区分
- BB 環境-地球一括
- 研究課題コード
- 0408BB368
- 開始/終了年度
- 2004~2008年
- キーワード(日本語)
- 酸素,二酸化炭素,同位体比,放射性炭素,吸収量変化,温室効果ガス
- キーワード(英語)
- OXYGEN,CO2,ISOTOPE,14C,SINK,GREENHOUSE GAS
研究概要
これまで太平洋を航行する船舶を活用して、緯度別の酸素濃度や二酸化炭素の炭素同位体比の観測手法の確立を行っており、海洋吸収量がほぼ安定であるのに対して、陸上生態系による吸収量は非常に大きく年々変動することが明らかとなりつつある。今後は、この手法を本格的に活用して、数値モデルによる予測結果(二酸化炭素濃度の増加と共に陸上生態系による吸収量が増加する)を、観測的手法により実証・検証すること、気温の上昇傾向や水循環の変化や海洋循環の変化が、二酸化炭素吸収量に対しどのように影響を及ぼすかを解明することを目標にする。
全体計画
本研究では、15年度までに確立する観測手法を用いて、引き続き観測を継続すると共に、新たに北半球の高緯度帯へ新たな船舶による観測を導入し、より幅広い緯度帯での観測とデータの蓄積を行う。また、測定項目として、従来からの酸素、二酸化炭素の炭素同位体比の他に、放射性炭素、酸素同位体比を新たに加え、二酸化炭素の起源や陸上生態系の変動に伴うデータの強化、陸域生態系による吸収量、海洋吸収量の中長期トレンドの高精度解析を目指す。
今年度の研究概要
(1)北太平洋の高緯度地域を航行する貨物船から協力してもらえる船を選定する。サンプリングのための配管などを設置する。貨物船に用いるボトルサンプリングのためのシステムを可搬型にするべく小型化し製作する。
(2)遠隔地(落石、波照間)での大気のボトルサンプリングをリモートで行えるシステムを開発する。また放射性炭素の測定のための容量の大きいサンプリングシステムについても検討を開始する。
(3)研究室で維持するワーキング標準を製作する。重量充填法でシリーズ化した酸素濃度の絶対値標準の製作を試みる。これにより、ワーキングの値の絶対値や安定性等を調べ、標準としての可能性を検討する。同位体比に関しても、ガラス封入参照試料の標準としての使用可能性を検討する。
備考
日本,名古屋大学,北川浩之