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微細藻類を利用したエネルギー再生技術開発(平成 16年度)
Technological development of energy regeneration from microalgae

予算区分
BH 環境-石油特会
研究課題コード
0406BH508
開始/終了年度
2004~2006年
キーワード(日本語)
ボトリオコッカス,炭化水素,微細藻類,オイル,再生可能エネルギー資源
キーワード(英語)
BOTRYOCOCCUS,HYDROCARBON,MICROALGAE,OIL,RENEWABLE ENERGY SOURCE

研究概要

単細胞性の藻類に認められる多様なプロダクトのうち、化石燃料の代替として利用可能な炭化水素に着目し、その実用化に必要な基盤技術の開発を目的とする。材料には重油相当の炭化水素を生成する緑藻Botryococcusを用いる。本事業の内容は、1)炭化水素生産株の探索・機能評価、2)炭化水素生産経路の解明と関連遺伝子の探索、3)炭化水素生産株の生理特性と培養特性の解明、そして4)炭化水素利用技術の開発、で構成される。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

(1) 炭化水素生産能、増殖能の観点から、より優れた能力を有する株を独自に収集し、保存株を確立するとともに、炭化水素の分析を行う。また保存株の分類学的評価を行い、機能評価の結果と併せて、保存株基盤情報の整備を行う。(2) トレーサー実験により光合成固定産物が炭化水素へと転換される過程を追跡する。中間産物のフラックスと各反応の酵素活性の解析から炭化水素生合成経路を明らかにし、生合成系の律速段階を特定、そして律速段階に関係する酵素およびそれをコードする遺伝子の単離を目標とする。(3) 光源の違いによる光合成活性の相違を調査するとともに、光質改変条件下での生育および炭化水素生産を活性化する光条件の検討を行い、炭化水素生産に最適な光条件を明らかにする。また安定かつ大量に培養するために、物理・化学的培養条件、リアクターの形状、培養形式、雑菌等の汚染対策、高密度培養時の光供給条件等について検討し、最適培養条件を確立する。

今年度の研究概要

(1) 細胞およびコロニーの形状、炭化水素含量等の差異に基づいて、様々なタイプの炭化水素生産株の分離、培養を行う。また構成炭化水素の分子種をGC/MS等を用いて解析し、分子構造を明らかにする。(2) 光合成により固定された炭素フラックスを14C-標識炭素原子を投与することで推定し、二酸化炭素から炭化水素への変換速度を確定、生合成経路の中間産物の類推を行う。(3) 培養細胞に波長400-725nmの単色光の単色光を照射し、光合成酸素発生速度等を測定することで、光合成作用スペクトルを作製する。これにより各単色光の光利用効率を明らかにする。更にNとPについて、塩の種類と濃度の最適化、そして平板型フォトバイオリアクターの適用等により大量培養のための基礎データを収集する。

課題代表者

渡邉 信

担当者