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コプラナーポリ塩素化ビフェニルの甲状腺ホルモンへの影響評価のための新たな指標に関する研究(平成 16年度)
Biomarker for modulation of thyroid hormone induced by co-planar PCBs

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0404AF379
開始/終了年度
2004~2004年
キーワード(日本語)
毒性指標,PCB,甲状腺ホルモン,レチノイド
キーワード(英語)
BIOMARKER,PCB,THYROID HORMON,RETINOIDS,

研究概要

母乳がダイオキシン類に汚染されている場合の授乳の是非および子への生体影響が社会的な関心事となっているが、母乳中に含まれる主なダイオキシン類はコプラナーPCBs である。ダイオキシン類のリスク評価は、毒性等価係数(TEF)で表されているようにアリール炭化水素受容体(AhR) を介する毒性発現を基準として設定されている。しかしながら、コプラナーPCBs の典型的な毒性の一つである甲状腺ホルモンおよびレチノイド代謝への影響がAhRには非依存的に発現する事を明らかにしてきた。本研究の目的は、コプラナーPCBs およびノンプラナーPCBs の甲状腺ホルモンおよびレチノイド代謝に及ぼす影響とそのメカニズムを明らかにして、AhR 非依存性の毒性発現に関連する新たな指標を見出す事にある。

全体計画

コプラナーPCBs およびノンプラナーPCBs の毒性評価のための新たな指標をもとめる。(1) AhR 欠損マウスおよび野生型マウスにTEFの異なるコプラナーPCB(PCB118, PCB114, PCB77, PCB126) およびノンプラナーPCB(PCB153)を投与して、特に甲状腺およびレチノイド代謝に及ぼす影響を中心にAhR 非依存性の影響を明らかにする。 (2) 各コプラナーPCBs および ノンプラナーPCBs により発現誘導される肝臓内薬物代謝系酵素を中心にマイクロアレイ法による遺伝子解析をおこなう。 (3) 本研究結果からAhR 非依存性の毒性影響を代表する遺伝子あるいは蛋白を特定し、新たなバイオマーカーとしてリスク評価に利用できることを確認する。AhR 非依存性の毒性メカニズムを明らかにする。

今年度の研究概要

ノンプラナーPCBsあるいはコプラナーPCBs のAhR 非依存性の甲状腺系およびレチノイド代謝への影響を明らかにし、リスク評価に重要な情報を提供する。甲状腺ホルモンは周産期の子の脳の発達に必要であり、またレチノイドはその核内レセプターと結合することにより、発生、分化、成長、生殖に関わる重要な遺伝子を調節している。コプラナーPCBsおよびノンプラナ-PCBs のAhR 非依存性の生体影響を明らかにし、現行のTEFに反映されていないコプラナーPCBs およびノンプラナーPCBsの毒性に関連する新たな指標を検索する。

課題代表者

西村 典子