- 予算区分
- BA 環境-地球推進 D-2
- 研究課題コード
- 0305BA412
- 開始/終了年度
- 2003~2005年
- キーワード(日本語)
- 有害化学物質,海洋汚染,POPs,篤志観測船
- キーワード(英語)
- HAZARDOUS CHEMICALS,MARINE POLLUTION,POPS,VOLUNTARY OBSERVATION SHIPS
研究概要
人為起源有害化学物質による海洋汚染は広域化し、海洋生態系への影響が懸念されている。2001年に難分解性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)が成立し、対策と共にPOPsの地球規模での監視が重点施策として挙げられている。しかし、海洋における濃度レベルは極めて低く、観測手法を含めそのハードルは高い。これに応えうる海洋汚染観測手法と広域海洋汚染動態の把握、海洋中での分解・変質過程、輸送過程を含めた動態モデルの構築により実現される有害化学物質による海洋汚染予測の確立が、有害化学物質の監視・対策のために早急に求められる。
本研究では、太平洋を重点海域とし、商船を用いた高頻度観測態勢による汚染動態の把握と解明、各種汚染物質の海洋における分解・再合成などの変質過程の解明と有害性評価、有害化学物質の海洋における輸送・拡散モデルの開発を行い、難分解性有機汚染物質を含めた有害化学物質の監視・規制に資するための海洋汚染予測手法を確立することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:
全体計画
初年度:北部太平洋を東西に航行する商船に、小型海洋汚染観測システムを開発、搭載し、観測を開始する。商船利用海洋観測拡大のために船種毎の最適条件を検討する。広汎な有害化学物質に対応するための分析法、捕集法の検討を行う。
次年度:日米、日豪間の観測を継続するとともに、観測時期を含めた効率的な観測態勢、動態解明に必要な追加観測海域を検討の上、実施する。商船利用海洋観測の最適化ため、さらに数種の船種を検討する。
三年度:解析上必要な補足的な観測を実施し、有害化学物質による海洋汚染動態解析を行い、総合的なモデル化に資する情報を提供する。篤志観測船を利用した地球規模の海洋汚染観測システムについて、観測器材、船種を含め、将来の展開に向けた提案を行う。
今年度の研究概要
日豪間の観測を継続するとともに日米間の観測を実施し、観測時期を含めた効率的な観測態勢、動態解明に必要な追加観測海域を検討の上、実施する。商船を利用した海洋観測を拡大するため、さらに数種の船種を選定し、観測を実施する最適条件を検討する。